サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「nina’s」問題企画が再び登場 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「nina’s」1月号 「nina’s」の「男の子ママVS女の子ママファッション」に滲む「子どもは最高のアクセサリー」感 2017/01/08 16:00 女性誌速攻レビューninas ■ぶっちゃけ、着たい服とかないのでは…… あれは16年9月号だったでしょうか……、「nina’s」に現れた「男児持ちママと女児持ちママの着回し企画」。男児持ちワーキングママはドタバタの日々を送っていたのに対し、女児持ち専業主婦は文化度高めのゆったりとした毎日を過ごしており、妄想企画とはいえなんて作為的なのだとビックリしたものです。そちらが好評だったのでしょうか、今号にもまた男児ママと女児ママの対立ページがありました。その名も「男の子ママVS女の子ママ 冬おしゃれ対決SNAP」。「男の子ママ、女の子ママならではの、それぞれのファッションの工夫と楽しみ方、そして、個性が光る親子ファッションにズームしていきます」とはリードの弁。子どもの性別で母親のファッションが変わるなんてあまり聞いたことありませんけど、どうやらヒントは子どもとの「リンクコーデ」にあるようです。 たとえば「男の子ママはミリタリーカラーVS女の子ママは柄リンクで楽しむ」などは読んで字のごとし。「ラブリーな花柄や暖色系のチェックなど、女の子ママは柄コーデでお目立ち」「男の子ママは、冬のトレンドミリタリーでcoolめに!」と、子どものスタイルに親が合わせていくタイプ。「スニーカー履きこなし対決」は同じスニーカーというアイテムでありながら、女の子ママは「スリッポンで抜け感」「デニム×ホワイトをベレー帽で冬らしく」と見た目重視なのに対し、男の子ママは「ガチスニーカーでいつでも走れるコーデ!」「男の子ママのアクセは小ぶりで目立つものを(引っ張られる心配のないもの)」と機能優先。その他「デザイン<色が、男の子リンクの法則」「女の子のママだからこそ、ヒールも取り入れるように」など、男の子(のママ)だから女の子(のママ)だからという基準でファッションを決めている方のなんと多いこと! オシャレは自由……では決してないことがよくわかった「男の子ママVS女の子ママ 冬おしゃれ対決SNAP」。“ママになっても好きな服を着たい”というオシャレさんの嘆きをよく耳にしますが、「nina’s」におけるオシャレとは、個人の願望や嗜好よりも、“周囲の人にどんな風に見られるか”“幸せなママに見られるか”に重きが置かれているんです。「nina’s」の男の子ママ、女の子ママのジェンダー観はベタですが、そこに自分をハメこむことで型通りの幸せが手に入ったような気持ちになる。子どもに寄せたファッションをする喜びはおそらくそこにあるのでしょう。子どもは最高で最強のアクセサリーになり得ることを、こんな形で「nina’s」は教えてくれます。 (西澤千央) 前のページ12 最終更新:2017/01/08 16:00 Amazon nina's(ニナーズ) 2017年 01 月号 [雑誌] 「リンクコーデしない」という選択肢が消されている件 関連記事 「正解を先回り」して安堵する「nina’s」子育ての息苦しさ女児持ち専業主婦はゆったり、男児持ちWMはカツカツ……「nina’s」の属性刷り込みがスゴイ一色紗英が「nina’s」10周年記念で、「母になったら普通のことを普通に言っちゃいけない病」を炸裂ビジネス誌のスーパーママ礼賛記事より読者に追い込む、「nina’s」の復職特集日用品は外国製なのに、七五三は伝統的に! 良妻賢母が愛国と結びつく「nina’s」ママ 次の記事 重量挙げ選手のラブコメドラマがヤバイ >