みくりみたいになりたい?

『逃げ恥』効果で求職者も急増! 「家事代行サービス」成長の背景

2016/12/21 15:00
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Photo by ParisAngel from Flickr

 近年急成長しているのが、日常の掃除や片付け、洗濯、炊事などを請け負う家事代行サービス。市場規模は2011年度に811億円、12年度には980億円と年々拡大しており、将来的には約6,000億円と推計されている(2014年経済産業省「家事支援サービスについて」より)。1999年創業で業界大手のベアーズによると、最近は予約が取りづらくキャンセル待ちが続くほどの人気だとか。ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の影響もあり、20代前後からの求人応募も昨年比1.5倍と急増中で、その仕事内容にも注目が集まっている。

■低価格化、間口の広さで利用が増加

 利用者の傾向も変わりつつある。以前は「一部のお金持ちが利用するもの」というイメージが強かったが、1時間2,190円~の低価格でクラウド型の「CaSy (カジー)」や、イオングループでビックカメラ等でも利用チケットを購入できる「カジタク」をはじめ、新規業者が続々参入。「産後の心身ともに大変なときに利用を始める方が多い」(カジー)、「ワーキングマザーの利用が中心」(カジタク)と、負担を減らす目的で気軽に利用する例が増えているようだ。老舗のダスキンでも、「家事はプロに任せて、その分、自分や家族との時間を大切にしたい」といった声が多いという。また、仕事が忙しく家事に割く時間がないひとり暮らしや、シニア層の需要も高まっている。

 とはいえ、 25~44歳の女性の家事代行サービス利用率はわずか2%(2014年経済産業省「家事支援サービスについて」より)にすぎず、使い方がわからないという人も多いだろう。「まずは、自分がふだん行っている家事の内容と、かかる時間を書き出してみるのがおすすめです」と話すのは、All Aboutガイドで家事代行サービスの利用経験が豊富な平野直子氏。事前に整理しておくことで、業者への要望を漏れなく伝えることができるという。また、家事を頼んでいる間に、自分たちが何をするかイメージしておくことも大切。例えば、「水回りなどの大掃除を3時間お願いし、その間に片付けや窓拭きをする」「鍵を預けて2時間掃除や片付けを任せ、その間に子どもと遊びに行く」など、具体的に決めておくといいだろう。平野氏は、「段取り良くサービスを利用することで、プロの技で効率的に家事をこなしてもらいながら、他の用事に時間を費やす、という2つのメリットを実感することができます」と、効果的な利用法を語る。

■信頼性、サービス内容、料金設定をチェック


 あまたある業者の中から、選択するコツはあるのか? 平野氏は、「自宅に入って行う仕事なので、何よりも信頼性が大切。個人情報の取り扱いやスタッフ教育、補償体制などを業者のホームページやパンフレットでくまなくチェックしてほしい」とアドバイスする。その上で、提供されているサービス内容の確認も必要。業者によっては料理やペットの世話、介護を含むサービス等には対応していない場合もあるからだ。

 また、時間単位の料金に加えて、交通費などの追加料金がかかる場合も多いので要注意。トータルでの金額とサービス内容を比較した上で、自分に合った業者を探すといいだろう。「年末などの繁忙期を外すと、予約が取りやすい上、キャンペーンが実施されていることも多いのでおすすめです」と平野氏。多くの業者がお得なお試しプランを提供しているので、数社を実際に利用した上で比較するのも一手だ。

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