【連載】美容整形Dr.高須幹弥に訊く!

「極楽浄土へ行く前に」「20代との情事のため」Dr.高須が明かす、子どもとお年寄りの整形事情

2016/12/12 21:00

■“一時のあこがれ”が後悔を招く10代後半の美容整形事情
 患者さんが16歳くらいになると、目頭切開、鼻を高くするヒアルロン酸注射など、希望する施術の幅も広がりますが、やはり二重手術が人気ですね。この年代では、自分の意思で来る方がほとんどですけれど、未成年なので親の同意は必要。なかには親に内緒で来院され、同意書も自分で書いてしまう子がいるので、親御さんに電話で確認することもありますよ。そうするとだいたい「同意してません!!!!」といわれてしまいます(笑)。

 整形で自分の顔の欠点が解消されれば自信もつくし、周囲からの人気も上がります。でも、一時的なあこがれで芸能人のパーツを真似て、ご自身の顔に似合わない整形をしてしまい、後悔する方も少なくありません。また、ギャルにあこがれて幅広の平行型二重にしたけど、10数年後に子どもができ、「ギャルメイクでPTAに行くと浮いてしまうから戻したい」と来院するなど、後々不都合を感じる方もかなりいます。施術によっては、キレイに戻せないものもあるので、僕はできるだけ元の顔に合った自然な形を勧めるようにしています。

■意外と多い高齢者の美容整形
 高齢の方では、シワやたるみ取り、美肌などがほとんどです。5分ほどでハリがでるヒアルロン酸は人気が高いですね。僕の施術では90代でフェイスリフトをした女性が最高齢かな。ただ、その人が特別なのではなく、90代で来られる方も多いし、女性に限らず、男性でも結構いるんですよ。

 女性の場合、整形を決意される理由は、「若く見られたい」「キレイなままでいたい」というのが多いですね。「20年ぶりの同窓会で老けたと思われたくない」という方もいらっしゃいました。あとは、親やご主人の介護から解放されて、「これからは時間とお金を自分のために使いたい」と若返り治療を希望される方もいます。

 ほかにも、40~50年前に受けた整形で、鼻やバストに入れたシリコンを「死ぬ前に取っておきたい」と来られる方がたまにいます。シリコンは火葬すれば、燃えてなくなるので、入れたままでも問題はないのですが、「極楽浄土でご先祖様に会うのに、異物を入れたままの体では申し訳ない」と思われるみたいですね。


 男性の場合は、異性を意識してのことがほとんどです。70~80代で、若い愛人がいるとか、20代の女性とお付き合いをしているとかで、見た目も若々しくいたいという方が結構いらっしゃいます。僕に、20代女性との情事を自慢されることもありますよ(笑)。

 ご高齢の方だと、フェイスリフトなどの手術をしても、傷痕がシワに紛れて目立ちにくいというメリットがあります。ただ、基礎疾患を持っている方が多いので、麻酔と切開を必要とするものだと、手術のストレスで病気が悪化するとか、血管が弱くなっていて出血しやすいという人もいるので注意が必要ですね。ヒアルロン酸などメスを使わない施術ならあまり心配いりません。

高須幹弥(たかす・みきや)
美容外科「高須クリニック」名古屋院・院長。オールマイティーに美容外科治療を担当し、全国から患者が集まる。美容整形について真摯につづられたブログが好評。
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最終更新:2016/12/12 21:00
絵本 極楽
私は極楽へも鼻筋を通したまま行きたい派だわ