サイゾーウーマンコラム自称・宮家の後継者が起こした詐欺 コラム [連載]悪女の履歴書 「宮家の後継者」を自称、マスコミ・芸能人を巻き込んだ「有栖川宮詐欺事件」の女 2016/11/20 19:00 悪女の履歴書 ◎芸能人の参列と、金が飛び交う結婚式 その最大の理由は、“華族の末裔”を名乗る2人のキャラにあったのだが、それは後述するとして、もう1つの理由が、このパーティーに何人もの著名人が出席していたことだ。その筆頭株が俳優の石田純一だった。石田は友人として出席者たち一人ひとりに挨拶するというサービスぶりで、「こんな名誉な席にお招きいただいてありがとうございます」とスピーチに立ち語っている(とはいえ、後に石田も2人は大した交友がないことを明らかにしているのだが)。 ほかにもエスパー伊東、デーブ・スペクター、数々の選挙に出馬したことで知られる羽柴秀吉(故人)、日本青年社幹部などが出席したとされる。 結婚式もいかにもマスコミが飛びつくようなネタが満載のものだった。雅楽が流れる中、新郎が衣冠束帯ならば、新婦の衣装は十二単。さらにお色直しは新郎が勲章付きの陸軍大将の軍服で、新婦はピンク色のド派手なドレス。また2人の傍には神官と袈裟を着た僧侶もいたという。 また結婚式は随所に“カネ”が介在した。受付で2人の写真が3,500円と5,000円で売られ、“謁見の間”での2人との記念撮影代金は1万円。さらに二次会の会費は1万5,000円なり。 金が飛び交う怪しい“元華族”の結婚式、仰々しい“華族”を全面に押し出した演出、そして著名人の出席――。もちろんマスコミはこのネタに食らいつく。もしニセモノなら、これほど面白いネタはない。多くのマスコミが2人に群がったが、2人は逃げるどころか、嬉々として取材にも応じた。 次のページ 宮内庁「有栖川宮家は大正時代に断絶した」 前のページ123次のページ Amazon 『皇族 (中公文庫)』 関連記事 17歳年下恋人と交際の果て――46歳の旧華族令嬢が殺めた、「日商岩井社員射殺事件」腐乱死体と生活、殺害を“美しい物語”にすり替える「ラストダンス殺人事件」の女殺人犯「秋田連続児童殺害」――マスコミが報じなかった“鬼畜の母”畠山鈴香の実像神と崇められた女の欲望の狂気――「福島悪魔祓い殺人事件」の女殺人犯実子を溺愛し、継子を疎む母の闇――「連れ子殺人・人肉食事件」と現代の義家族