サイゾーウーマンカルチャーインタビュー「魔女ビジネス」って儲かるの? カルチャー B・カシワギ氏インタビュー 「魔女ビジネス」って儲かるの? 現役魔女に聞く、“心を動かす”魔術の可能性 2016/10/09 19:00 インタビュー もうすぐハロウィン。東京の六本木や渋谷などでは、ゾンビメイクを施したり、アニメや映画をモチーフとしたコスプレを楽しむ人々にくわえ、長い黒帽子にコウモリのような黒くヒラヒラしたワンピース、ステッキやホウキなどのアイテムを持った魔女ファッションの女性たちを多く見かけることになるだろう。我々がイメージする魔女と言えば、そういったハロウィンの仮装か、童話の中に出てくる、グツグツ煮立った大きな鍋をステッキで混ぜるおばあちゃんといったように、かなり形骸化されている。 先日、新宿にあるライブハウス「ネイキッドロフト」にてトークイベント『ゲンバシュギ!! 第6回 ~事故物件&魔女の現場~』が開催された。『ゲンバシュギ!!』は、ゴミ屋敷や樹海など社会の暗部に潜入するルポライターの村田らむ氏が、毎回ゲストを招き、現場の人間しか語れない話を語り尽くすという不定期開催の人気企画。今回は、事故物件に住んでいるお笑い芸人の松原タニシ氏と、「魔女」として大阪で活動するB・カシワギ氏が登壇した。ほか出演者は、村田氏の取材に同行しているという成宮アイコ氏。 第一部では、松原氏がこれまでに住んできた事故物件で実際に起こった怖い出来事の話を中心に、自殺・病死・殺人別の事故物件の特徴、事故物件に住むための物件検索方法や不動産屋での特筆項目など、トークイベントならではのディープな話で大いに盛り上がった。 ■不倫相手と奥さんを別れさせるために使う魔術とは? 第二部では、“魔女”カシワギ氏がその仕事や活動を語った。まずは、「男性であるカシワギ氏は、果たして魔女なのか?」という話題に。これは、「女性に限定される意味ではないはずの英語『witch』が、日本語に翻訳された際に、男を含まない言葉『魔女』となってしまっただけ」という。 またカシワギ氏は、魔女の歴史や魔女が時代ごとにどういった存在であったかを解説する流れで、現代における魔女について言及。魔女といえば、「空を飛ぶ」「魔法で人を別のものに変身させる」など、空想のものというイメージが強いが、いわく「魔女になりたいと思って手を上げた時点で魔女であり、人の心を動かせたらそれは魔力。そして、自分の心のコントロールをいかに方法論とし、ライフハックとしていくか」とのこと。 つまり、「自分は魔女だ!」と本気で思えたら、すでに自分を魔女にする魔法をかけることに成功しており、魔女になれたということだそう。続けてカシワギ氏は、「見た目が全然魔女っぽくない」とよく言われることに対しても、「人の心を動かす上で意表を突いたり概念をぶち壊したりすることはすごく大事。だから、古典的な魔女っぽいことを現代で行うのは、逆に魔力が低いと思う」と、現代魔女について理論的に説明した。こうした魔女という存在の捉え方には、ほかの出演者や会場から「なるほど」という感嘆の声が漏れていた。 では実際に、カシワギ氏は魔女としてどのようにお金を稼いでいるのだろうか? なんでも、カシワギ氏は、大阪のアメリカ村で師匠の魔女とともに、オリジナルの呪術用具を取り扱うセレクトショップ「銀孔雀」を営んでいるという。そこでは、「人間の不安など、科学では解決できないことでも解決に向かわせる力を持つのがオカルト」という考えのもと、無料でお客さんの相談にも乗っているそう。イベントでは、これまでの相談内容と、それに対するカシワギ氏の返答がいくつか紹介された。 その中で最も多いのが「別れさせたい夫婦がいるがどうしたらいい?」という、既婚者男性と不倫をしている独身女性からの相談なのだそうだ。とある女性は、何度も店に来てはカシワギ氏に、「彼は奥さんとはうまくいっていないけど、子どもと離れたくないから離婚できない」という話をしていたという。 そこでカシワギ氏は、「じゃあ、その男性の奥さんがキレイになってモテてくれたら、ほかに男を作って離婚、彼も親権をゲットして、君と付き合えるかもしれないね」と提案し、女性は納得。2人で、不倫相手の奥さんがキレイになるようにという、前向きなまじないをし続けたのだそうだ。「我ながらこの返答は天才だと思った!」と振り返るカシワギ氏に、会場は爆笑に包まれたが、この、“どう転んでも誰も不幸にならない”理論的な魔法を操るさまに、現代魔女の真髄を見た気がした。 12次のページ Amazon 『魔女図鑑―魔女になるための11のレッスン』 関連記事 「なぜ不倫をしないのか?」上野千鶴子が指摘する、“理想の結婚”がはらむ矛盾点応募条件“我こそはと思うブス”――炎上した「ブスiD」オーディションの波紋と背景セックス特集、安室奈美恵、秋葉原――「Cawaii!」元編集者が語る“ギャルブームの盛衰”「女子アナ」はなぜ欲深い? カトパンや水卜アナという“オンナ”の作り方と必要特性村西とおる、西原理恵子、高須院長らの“セクシー談義”! 男女が惹かれ合うのは本能か愛か