サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「CLASSY.」の言う“量産型女子”が危険 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「CLASSY.」8月号 どこまでも男の妄想に付き合う「CLASSY.」が、危険なニオイしかしない“量産型女子”を提案 2016/07/17 16:00 女性誌速攻レビューCLASSY. 次ページからは、その「量産型」のスタイルが提示されています。「ワンピ×カーデ」は「“きれいにしてきてくれた”と女性からの気遣いがわかりやすいコーディネート」、「シャツ×ふんわりスカート」は「出会いの場で一番欲しい“いい子そう”という印象」、「ブラウス×クロップドパンツ」はイマドキ男性が求める「心身ともに健康で経済的に自立している女性」像を演出。 量産型とマシーンのように扱われる女性、個性を記号でしか理解できない男性。ただ互いに「コード」だけを読み取り合う、そんな恋愛が今の主流なのかもしれません。 ■野口健も登れない「高嶺の年上女」 さて続きましては、巻末の恋愛ページ「理想の彼は年下かも!」を紹介します。これも「CLASSY.」では定期的に見かける企画。一見、over30女性読者への接待ページですが、この「年下男子が年上女性に望む条件」というのが実にエグイ。 「年下男子ぶっちゃけ座談会」での「落ち着いているイメージがあるから長く続く気がするし、ワガママな年下の子で痛い目にあったから」などはまだいいほう。「小雪さんや井川遥さんみたいな大人の女性って魅力的だな」「篠原涼子さんみたいなサバサバ系の人に甘えられるっていいな」「きれいであれば、何歳でも」と、まず見た目方面で過酷な試練が襲いかかります。さらに「自分が仕事で行き詰っていても、年上女性って察して優しくしてくれたりするから居心地がいい」「会計のときでも、『二軒目は私が払うね』ってサバサバしてくれると助かるな」「仕事中はキビキビしてるのに、実は可愛らしいとか、ギャップもあれば最高」……理想が高すぎてもはやアルピニスト野口健でも登頂できないレベルですが、ただ年下という道具しか持っていない男性方はそこ登れます? それで最終的に「年下男子はデリケートなので優しく包んでください」ですから、もうママの抱っこでネンネしててくれよ~。 しかしその無理な要求に乗っかろうとするのが「CLASSY.」です。量産型に続いて、今度は“篠原涼子型・年上女ロボット”を製作します。次ページの「理想の年上女性とそうでない女性像が知りたい」では、ミディアムロングかき上げ系のヘアスタイルに、白シャツとパンツの裾は少しまくって、足元はヒール、仕事の書類を抱えた「デキる女っぽい篠原涼子」がそこに。一方、NG年上女子は「マナーや常識を知らない」「SNSのアップに熱心」「『もうオバさんだし』と自虐ネタを言う」など「中身の成長もないまま、ただ年だけをとってしまった年上女性が一番悪印象」なのだそうです。 年上だからといって「経済的に自立していて、キレイで、サバサバして、それでいて自分だけに甘えてくれる」なんて都合のいい話あるかいなとは思いますが、どこまでも男のファンタジーに付き合おうとするのが「CLASSY.」。若さと加齢の間で揺れ動きながら、ダサさとモテの間で揺れ動きながら、今日も「CLASSY.」読者はとりあえずのガウチョパンツをはくのでしょう。 (西澤千央) 前のページ12 最終更新:2016/07/17 16:00 Amazon CLASSY.(クラッシィ) 2016年 08 月号 [雑誌] 男の妄想に付き合いながら結婚したところで、離婚しか見えない「CLASSY.」女子の人生 関連記事 “痩せなくてもすっきり見える特集”で女性誌の限界を露呈した「CLASSY.」「モテ男の年貢の納めどき」ページで、時代錯誤甚だしい価値観を普及する「CLASSY.」読者年齢が上がっている「CLASSY.」が、「30すぎて若さにこだわるな」と説法企画を展開「CLASSY.」のカジュアル路線が男にもたらした、「誘いやすい!」と「やる気ない?」の逡巡暴言・妄言・上から目線! 「CLASSY.」がモテ言説に“男の本音”を悪用しすぎてる問題 次の記事 美容クーポン客を引っかける“数字トリック” >