サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「LARME」の意外な恋愛特集 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「LARME」5月号 彼氏を「神」と呼ぶモデルが登場!! 男ウケ度外視な甘カワ系ガーリー誌「LARME」の恋愛特集 2016/05/15 21:00 女性誌速攻レビューLARME 「LARME 021」2016年5月号(徳間書店) 伝説のキャバ嬢バイブル「小悪魔ageha」(ネコ・パブリッシング)のDNAを受け継ぐとされる、異例のガーリー系ファッション誌「LARME」(徳間書店)。同誌の媒体資料に「ここには(中略)社会人のカレを捕まえようと目論む女子大生は存在しません」「女の子の、女の子による、女の子のためだけの世界です」とあるように、男ウケを度外視して、「女の子がかわいいと思うもの」だけを詰め込めるだけ詰め込んだといわれるこの雑誌は、出版不況にもかかわらず発行部数20万部を超える人気を博しています。 さてこの「LARME」ですが、「甘くて、かわいい(はぁと) 女の子のファッション絵本。」を謳うだけあって、甘カワ世界観やビジュアルの作り込みがスゴイ。誌面を飾る女の子たちも、「夜はジェラピケじゃないと眠れないの」とかゆるふわ発言をしそうな第一印象。寝間着がいまだに大学時代のスウェットの筆者にとっては、別世界からきた人物のようですが、そんな未知の世界・甘カワ「LARME」ワールドを探るべく、創刊直後から密かにチェックしてきました。今回から筆者がスウェットにクロックスサンダルで「LARME」に突撃し、皆様にその世界を全力投球でお伝えしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。 <トピック> ・春の新作ときめきキーワード(はぁと) ・彼にコレで褒められた100選 ・ラルム女子の旅行Style(はぁと) ■甘カワ表紙に待ち構える、「アハ体験」の洗礼 まず目につくのは、カバーガールのまいやんこと乃木坂46・白石麻衣さん。バンビのような大きな目とぷっくりした唇、ピンクのリボンが巻きつけられた長い髪、背中の大きく開いた黒いドレス、白くて華奢な体――。 しかしこのまいやんの表紙、よくよく見てください! 「ファッション絵本」を自称するだけあって、一見すると「カワイイ女の子の肖像画」のようですが……彼女の小顔よりもデカいキャッチコピーが、その世界観を壊さないように、うっすらと印刷されているんです。みなさんお気づきになりましたか。これぞまさにアハ体験! おかげで脳が活性化してきたような気が……しないか。ちなみに文言は、<春はあなたをもっと好きにさせる>。どういう意味でしょうか。筆者は「春は(心ときめく季節なので、)あなたを(急き立て、)(あなたがいま好きな人のことを)もっと好きにさせる(ものだなあ)」、ととらえます。――日本の古典文学ばりに解釈闘争が起きそうなコピーです。 ■LARME女子の読者像は「普通じゃねえか」の一言に尽きる ゆる甘、小悪魔、ロリータなど、ありとあらゆるガーリー女子が誌面を飾る本誌。その中でも興味をそそられるのは、「LARME」のモデルと読者、総勢239名を調査した「流行大賞2016」という企画です。「LARME」女子たちのよく行く買い物スポットからおすすめの鎮痛剤(ロキソニンSがいいらしいっすよ!)まで、なんと80個近くの項目がランキング形式で掲載されています。 筆者は「一体どんなゆるふわ回答が出てくるんだろう」と勝手に期待しておりましたが、アレ、意外に普通。いや、むしろ質素寄り? 誌面から勝手に想像していた、「甘カワ系ガーリー星から来ました!」感は一切ありません。渋谷や原宿でよく買い物をし、好きなファストフードはマクドナルド、好きなファミレスフードはサイゼのミラノ風ドリア、『アナ雪』やセカオワが好きで、石原さとみがあこがれ――。って、そこらへんのJKや女子大生と何ひとつ変わらんやないかい! そのほぼ直後に掲載されている「靴と靴下と、私(はぁと)」には、<同じ靴を履きまわして、1000倍楽しむ方法>という涙ぐましいキャッチコピーが……。ファーサンダル、黒パンプス、クリアサンダル、コンバーススニーカー、ピンクウエッジサンダルなどといった全5アイテムの靴を、それぞれ異なる4パターンの靴下でアレンジしようという試みです。 12次のページ Amazon 『LARME(ラルム)021 2016年5月号』 関連記事 「小悪魔ageha」復刊! ナチュラル化するage嬢に一石を投じる“盛り”復権がテーマ「男目線」は関係ない! 「小悪魔ageha」成功の秘訣半目・いびき・大の字はNG! 熟睡中にまで“可愛い”を要求し、女子を追い詰める「ar」「本能に従え」と説く「ar」のモテ特集、「男はやっぱりコンサバが好き」と矛盾した方向に……「男はみんな浮気する」「男はいつまでも怒られたい」、男目線を持ち出した「ar」の恋愛特集