『暗殺教室―卒業編―』の大ヒットで痛感する、Hey!Say!JUMP・山田涼介の「信頼感」
今回ツッコませていただくのは、主演映画『暗殺教室―卒業編―』が大ヒット中のHey!Say!JUMP・山田涼介の役者としてのポテンシャル。
昨年3月に公開された前作は、最終興収27.7億円の大ヒットとなったが、その続編となる今作は公開前、ファンの間で不安視されている面も多々あった。まず「続編は一般的に1作目より動員が下がる」こと。また、前作は山田涼介の「初主演映画」であったため、記念として何度も足を運ぶファンが多かったのに比べ、続編となると、意気込み・情熱が低下する人も少なからずいるだろうこと。
また、原作を大切にし、連載終了とタイミングを合わせていることなどから、前作に比べて映画の宣伝が始まるタイミングがだいぶ遅くなったこと。さらに、山田の初キスシーンがあることが、原作の展開と、本人の雑誌インタビューなどからわかっていたため、「絶対に見ない!」と宣言するファンも多数いた。
そんな不安要素をいくつも抱えて公開に至った続編だが、フタを開けてみると、公開初週の土日2日間で観客動員数54万4,641人、公開後5日間で100万人を突破。2016年公開作品の中で最速の動員100万人超えとなり、1作目を上回るペースのヒットとなっている。
今作は、嵐・二宮和也演じる「殺せんせー」の“人間”だった頃の記憶が描かれていることや、ほかの出演者たちも1作目に比べて格段に演技が良くなっていること、終わり方も美しく感動的であることなど、キャスティングや作品の出来の良さはもちろんある。
だが、あらためて痛感するのは、ここぞというときにきちんと結果を出す山田の信頼感だ。若手ジャニーズの中では圧倒的な人気を誇る、Hey!Say!JUMPの「不動のエース」山田。だが、これは正直、役者仕事をする上ではマイナスに働いてきたことは多々あっても、プラスにはなりにくかった。
そもそも「ジャニーズ」というだけで、世間から色眼鏡で見られ、過小評価される傾向がある。そのうえ、風間俊介や生田斗真など、役者仕事に専念してきた先輩たちと違い、本業が「アイドル」であるため、どんなに良い仕事をしても「アイドル作品」「ジャニオタ向け作品」と思われてしまう。