サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「婦人公論」幸運、こまどり姉妹の生命力に完敗 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「婦人公論」4月12日号 「婦人公論」幸運特集で、占いより生命力の強さを見せつけた「こまどり姉妹」の壮絶人生 2016/03/29 19:30 女性誌速攻レビュー婦人公論 「婦人公論」4月12日号(中央公論新社) 今号の「婦人公論」(中央公論新社)の特集は「幸運を引き寄せる習慣」。これは同誌ではかなりヘビーローテーションされている企画です。道ならぬ恋に落ちてしまったときは「これは運命なの。自分ではどうしようもできないの」と人生の主人公を気取るクセに、運不運は自分の努力と裁量で引っ張ったり避けたりできると信じてやまない「婦人公論」読者たち。リードにも「幸せが向こうから舞い込むための習慣を取り入れてみませんか?」とあり、「金運を呼びこむ持ち物を教えます」「出会い運を上げるにはダサい服を捨てなさい」「色の力を利用してダイエット運をアップ」などの企画で、「カネ・男・アンチエイジング」にめっぽう弱い中年女性の気持ちを揺さぶります。 そんな思いをさらに強くするのが、タレント・大林素子とフォーチュンアドバイザー・イヴルルド遙華の対談「結婚も仕事も手に入れたい! 2016年のカギは?」。なかなか予約が取れないというイヴルルド氏の「フォーチュンサイクル」に、大林は興奮しっぱなし。占いというより、占いを入り口に自分語りがしたい。占いで人生の答え合わせをして、自分の選択が間違ってなかった(運命だから仕方なかった)と思いたい。さらに占い師の助言によって未来はもっと良くできると信じたい。芸能人という不安定な稼業なら、なおさら……。こりゃ元オセロ・中島知子もむべなるかなと妙に納得してしまいました。 <トピックス> ◎特集 幸運を引き寄せる習慣 ◎こまどり姉妹 何度どん底につき落とされても 人との出会いに救われて ◎同性愛、性同一性障害……「LGBT」を知ろう ■占いを凌駕するこまどり姉妹の生命力 さて、この特集で大林よりも鮮烈な印象を残しているのが、対談「こまどり姉妹 何度どん底につき落とされても 人との出会いに救われて」。1938年生まれの78歳。しかしまだまだ現役で全国各地に赴いては歌い、最近ではバラエティ番組にもひっぱりだこ。ところがその人生はかなり壮絶で、極貧家庭に育ち、11歳から門付け(家の戸口をまわって民謡などを歌う)を始め、盛り場の流しを経て、21歳でレコードデビュー。しかし人気絶頂期に妹が熱烈なファンから腹部を刺され重体、顧問税理士にはお金を持ち逃げされ、がんにも襲われる……。そんな姉妹の人生もまた、「占い」を軸に回っていたよう。 123次のページ Amazon 婦人公論 2016年 4/12 号 [雑誌] 関連記事 “近しい関係だからこそウソが大切”と説く、「婦人公論」の義理家族特集女性のあこがれ「老後の女子会」のツライ現実? 「婦人公論」で露呈した、世代で異なるその中身共感と非難が交わる心地よさを共有し合う、毒舌タレントと「婦人公論」読者「婦人公論」の“みのもんた×林真理子対談”で、寒すぎる夫婦愛コントご機嫌特集とDV企画に見る、「婦人公論」世代の引き裂かれた人生観