酒井法子「負けず嫌い」発言のふてぶてしさ――ベッキーが見習うべき、不祥事タレントの在り方
が、その“反省しない”性質は、芸能界に復帰する上で、非常に重要な資質だと思う。酒井は、AFP通信のインタビューで、自身のことを「負けず嫌いなんです」と分析していたが、復帰なんて無理だと落ち込むようでは、ステージに立つことはできないだろう。酒井はかつて「婦人公論」(中央公論新社)のインタビューでも、継母に「すぐに忘れちゃう性格」と指摘されたと発言していたことがあるが、これもまた不祥事を起こし、その後復帰した芸能人に必須な“鈍さ”である。
酒井のような、いい意味での“ふてぶてしさ”を持たないのが、ベッキーである。芸能レポーター・井上公造によると、ベッキーは川谷の妻に謝罪の手紙を書いたそうだ。『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)に出演の北村晴男弁護士によると、この行為は「大変珍しいこと」で、こういったケースに遭遇したことがないという。
いかにもベッキーの好きそうな“心をこめた”行動だが(余談だが、ベッキーはファンにサインをするとき、色紙に手を当てて、心をこめて相手の幸せを祈るそうだ)、こういう過度の気遣いが、さらに世間をいらつかせる可能性があることに気づいていないようだ。
一方の酒井も、日本での活動が順調とは言い難い。しかし、そこでひるむ酒井ではない。台湾の空港で多くのファンに取り囲まれたことを、酒井は「ガガ気分を味わった」とスーパースター並の人気をほのめかす発言していたが、この負けず嫌い根性こそ、ベッキーに求められるものではないだろうか。
「世間の誰に謝ればいいの?」発言で、川谷の順調なゲスっぷりが露呈されつつある今、ベッキーには“先輩”酒井を見習って、「みんながこんなに騒ぐのは、私に興味があるから」と考えるくらいのキャラチェンジを期待したいものだ。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。最新刊は『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)。
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