サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「Domani」の働く女像がツラい カルチャー [女性誌速攻レビュー]「Domani」3月号 “バリバリ働く美しい母”を猛プッシュ! 育休明け復職前提の「Domani」が目指す女って? 2016/03/27 16:00 女性誌速攻レビューDomani 「Domani」(小学館)4月号 「Domani」(小学館)4月号、白やライトグレーといった明るいカラーや、とろみ素材や透け素材といったものが見られ、すっかり誌面は春モード。「春は卒業、そして変わるチャンスです」という特集の言葉通り、連載がリニューアルしたり、新しく始まったりと変化があります。ところで「Domani」には、モデルの連載がいくつかありますが、蛯原友里さん&SHIHOさん&渡辺佳子さんが子持ちの「母」という看板で連載してる中、「妻」ポジションで語るのは小泉里子さんのみ。ということで、小泉さんのリニューアル連載「もやもや里子」をみていきましょう! 妻・小泉が何にもやもやしているのかと見れば、今号は「里子には迷いや悩みなんて…と思ったら、実はいろいろと思うことがあるそう。リアルな心のうちを語ります」というただの編集部からの宣誓文でした。35歳ですし、きっと出産のことなどで迷いや悩みがあるのでしょうか。山口智子さんのように「いろいろな選択」を語れる土壌が「Domani」にあるのか、期待しています! それにしても、母と妻のモデル&連載はあるのに、読者層にしている独身女の連載がないのはどういうことですか! 誌面でも現実社会でも「Domani」世代の「女」の肩身の狭いことったら……なんとかしてくれ!! <トピックス> ◎35歳を過ぎて、もっと素敵な日々を送るために…そろそろ「卒業」したいこと ◎犬山紙子のLINE交換記 キラキラ女になれなくて ◎東村アキコの「ひとり王国」 ■あこがれは「バリバリ働く美しい母」 巻頭でも新連載がスタートしています。「女 妻 母 働くいい女の『月曜16時』」は、女(独身)、妻(既婚、子どもなし)、母(既婚、子どもあり)の3人それぞれの仕事風景を撮影したオシャレな写真と、彼女たちが語る仕事・生活への思いが掲載されたもの。ここで、「母」代表は述べます。 「バリバリ働く美しい母を目ざし、とにかく笑顔で走っています」 「8歳の長男と3歳の長女のめんどうは歩いて3分の実家の両親がサポート」 「教員である夫は洗濯当番を担当、自身は帰宅後に家事を集中して行いチームプレイで乗り切っている」 夫の担当、洗濯だけって……少なくないですか……? これが仕事上でのチームだったら、チーム崩壊の危機だし! でも大丈夫、「Domani」の「働く妻」は旦那がイケダンじゃなくても気にしないのです。自分で稼いだお金を使って、世の中を回すことの方が大事なんです。なんせ誌面で紹介されるアイテムは、10万円超えのバックやパール、1万円超えのスキンケア商品がずらずらと並びます。お小遣い制だったら絶対無理ですよね。よく女性誌で見かける「子どもとお揃コーデ」や「プチプラ」は、ここではどこ吹く風。「誰かと同じじゃ嫌だから……」「毎日だって身につけられて、もはや私のアイデンティティ」なんて自意識プッシュプッシュのリードが踊り狂ってますよ。 “バリバリ働く美しい母”を目指す企画はほかにも。「『育休カジュアル』からの卒業!」では、「知的さのある着こなしで仕事に戻りたい!」とのキャッチからもお察しの通り、パートを始めるとかではなく、あくまで「復職」!! そして復職するにあたっての心構え、「GW、育休明けのママはどう過ごす?」という囲み記事もあります。「息子を連れてじぃじばぁば(私の両親)の家にお泊まり。急な出張の際にも不安にならないようトライアル」する方や、「旅行に出かけたら、職場で配るお菓子を準備」と、脇目もふらず「働く母」でございます。「時短? いやいやフルタイムで最前線に復帰よ!」という鼻息が聞こえてくるではないですか! わかりました。「Domani」が目指すは、1億総活躍社会なのですかね。「わたししっかり活躍します」という主張が聞こえてきそうです。しかし、「働く母」ばかりでなく、たまには「働く独身女」にしぼった特集も見たいです! 12次のページ Amazon 『Domani(ドマーニ) 2016年 04 月号 [雑誌]』 関連記事 エビちゃんが「表現者」宣言、「35歳のカラコン」で右往左往……混沌の「Domani」“じゅわじゅわじゅわ~ん”と大暴走、「Domani」おフェロ顔メイクで何かが漏れ出る美魔女になりたくない「Domani」、最優先は“仕事ができる女”感「Domani」が提唱する地味美人は、欲望を禁じさせた社会の産物「Domani」における世界レベルの「仕事ができる女」気取りは本物?