女も薄毛に悩む時代 女性専門頭髪外来の女性医師に聞く、髪のアンチエイジング
髪は女の命。男性のコンプレックスというイメージの強い薄毛だが、近年では女性でも悩む人が増えているという。そんな薄毛をはじめ、加齢とともに訪れる髪の老化は、女性にとって大きな関心事。そこで、女性専門頭髪外来を開設しているAACクリニック銀座の院長・浜中聡子先生に、髪のアンチエイジングについて話を聞いた。
――髪における老化現象のサインとは、どのようなものがあるのでしょうか?
浜中聡子院長(以下、浜中) 30代に入ると、何らかの髪の老化現象を感じ始める方が増えてきます。血流の低下やホルモンバランスの乱れが主な原因といわれているのですが、うねりなど髪質の変化が出てきて、乾燥が気になりだすのが30代です。すべての人がこうした変化を痛感する、薄毛になったり抜け毛が多くなったりする、というわけではありませんが、その髪質の変化も老化現象のひとつといえます。
具体的にはトップの分け目部分の地肌の透けが目立ってくる、フロントの毛量が減って後退が目立ってくる、などといったことをおっしゃる方が多くなります。それ以外にも、抜け毛が多くなったという実感はないけれど、ボリュームが減ったと感じる方も多いようです。
――それは、本数が減ってきたということではないのでしょうか?
浜中 同じ本数だったとしても、太さがある時とない時では厚みが違いますから、その違いも含めて両方あり得ると思います。
――季節によって多くなる、抜け毛の対処法はあるのでしょうか?
浜中 1年で最も抜け毛の量が増えるのは、夏の終わりから秋口にかけてといえます。その変動を少しでも軽減させるためには、①夏場の紫外線に気をつける ②夏バテしないように規則正しい生活を送り、体調管理をきちんとする、この2点が重要となってきます。
紫外線を浴びることは、軽いやけどをしているのと同じようなものなので、頭皮に炎症を引き起こしてしまう可能性があります。
――1日の抜け毛の量は通常100本くらいだと聞いたことがありますが、どの程度から気になり始めるものでしょうか?
浜中 通常は80本から100本くらいですね。患者様の中には抜け毛の本数を数えてこられる方や、抜け毛を持って来院される方もいらっしゃいます。200~300本の抜け毛が何カ月も続くとなるとゾッとしますから、気になりますよね。
――地肌が結構目立つような状態から回復させるには、どのような治療をされるのですか?
浜中 内服薬と外用薬をベースに治療を進めます。また、栄養のバランスの偏りが激しければ、サプリメントや点滴を使った治療も検討していきます。当クリニックではあくまでも内科的治療となりますので、外科的な治療は行っていません。
効果が出始めるには6カ月程度お時間を要するため、この治療開始から6カ月間が発毛を促す上で、とても大切な時期であるといえます。