「洗髪は2日に1回がベスト」「男性用育毛剤は効かない」女性の薄毛“都市伝説”の真偽に迫る！
■「海藻は育毛にいい」はウソ？ ホント？
コラーゲン不足という残念な結果を受けて、真剣に頭皮ケアをしようと心に誓った筆者。そこで気になったのが、「頭皮をたたくと毛が生える」「ワカメが髪にいい」など薄毛にまつわる都市伝説。間違ったケアにつながらないためにも、鈴木さんに真意を直撃してみることに。
「薄毛には血行が関係しているとお話しましたが、血行促進の意味で“たたく”という方法が言われているのかもしれませんね。血行を促す程度なら悪くないのかもしれませんが、刺激が炎症につながることもあるので、たたくよりは頭皮を指や手全体を使ってリズミカルにマッサージをする方が効果的です。また、海藻は確かにミネラルが豊富ですが、それだけ食べていても意味がない。良質なたんぱく質、ビタミンやミネラルなど、バランスよく摂取することが大切です」（鈴木さん）
また、「男性用の育毛剤は女性に効果なし」とのうわさもありますが、男性用の薄毛治療薬に含まれる「プロペシア」は、女性の使用が基本的に“禁止”されているとのこと。
ファンケル総合研究所ビューティサイエンス研究センターの鈴木民恵さん
「女性がプロペシアを使用するとホルモンバランスを崩す恐れがあります。ただ、基本的にこの成分は医師が処方する治療薬にしか入っていないため、市販薬で手にしてしまう心配はないとは思います。ちなみに、市販の育毛剤は男性女性どちらが使用しても問題ない成分が入っているので、女性が男性用を使用しても『効果がない』ということはないでしょう。とはいえ、男女では皮膚生理が違い皮脂の多い男性向けには皮脂分解性分や清涼剤を含みさっぱりとした使い心地のものが多く、それゆえに刺激の強さなどで炎症を招いてしまうことはあります」（鈴木さん）とのことなので、やはり女性用の使用が無難のようです。
最後に、顔だけでなく髪も“洗いすぎNG”という話が流布し、特に冬の洗髪は「2日に1回がいい」とも言われていますが……。
「皮脂汚れや整髪剤が残っている状態は、炎症の元となるのできちんと落とさなければなりませんが、皮脂量や水分量が少ない方や乾燥肌の方などは、洗いすぎで乾燥や乾燥からくる炎症の症状を悪化させてしまうこともあります。そのため、2日に1回でバランスが取れているのならそれで問題ありません。ぜひ頭皮チェックでご自身の頭皮の状態を確認してみてください。また、頭皮の皮脂が多いといっても、皮脂は外敵からバリアしてくれるとともに、水分や細胞間脂質と混ざって保湿する効果もあるので、落としすぎるとかえってトラブルにつながります。そのため、皮脂を落としすぎないマイルドなシャンプー選びも重要です。頭皮もお顔も同じ皮膚の細胞からできているので、お顔や体のスキンケアと同じように考えていただければ間違いないと思いますよ」（鈴木さん）
頭皮も髪も、肌質やコンディションは人それぞれ。薄毛ケアは、まずは自身の頭皮を知るところからはじめるのが一番の近道なのかもしれません。
（取材・文＝千葉こころ）