「DRESS」から独身アラフォー女性が消える!? “らしさ”消失で「読者カタログ」化
■見えてこない「若くなりたい」理由
「40歳からは顔筋メンテナンスの始めどき」は、美容ジャーナリストの入江信子さんと顔筋のプロフェッショナルKatsuyoさんの対談企画。40代には顔の「地崩れ」が起こる、その衰えの理由は、顔筋だという内容です。顔筋の衰えによる老けはすでに周知ですが、Katsuyoさんによると「力を入れすぎることで萎縮することもある」のだとか。そのためのメンテナンス法を紹介しているのですが、対談の文章の中で、ああしろこうしろと書いてあるだけ。せっかく新しい情報をくれたのだから、どうして図解してもっとしっかり教えてくれないのだろうと思いました。
ところが次のページをめくって納得。「DHCパーフェクトウェーブ誕生!」という企画で、顔筋メンテナンスが手軽にできる美顔器が紹介されています。なるほど、前段の企画は、この広告ページにつなげるためだったのか……。だから、詳しいメンテナンス法は載せずに、「美顔器でやりなさいよ」ということなんですね。でもどうせなら、読者としては、本を読んですぐにできるメンテナンス法が知りたかったのでは……。ぱらぱら雑誌をめくりながら、ついでにモソモソやってみるのも女性誌の醍醐味のはず。広告のための企画とはいえ、ちょっと読者置いてけぼりにしている気がしてしまいました。「DRESS」は読者に、なんのためにアンチエイジングをしようと語りかけているのでしょうか。婚活? 仕事? 自己満足? 個々の企画もそうですが、全体としてストーリーが見えてこないのも、「DRESS」である理由をわからなくしています。
そうそう、今月号は夜に読んじゃいけません。「DRESSのLove Restaurant」は、牛カツ特集でした。関東育ちの筆者はあまり食べたことがない牛カツは非常においしそうでした。「DRESS」はあまりダイエット企画をやらない上に、こういった食べ物企画は多いので、体重増加に対しては寛容なのかもしれません。
(増井涼子)