自分のペニスを博物館に寄贈!?　異色ドキュメンタリー『最後の1本』をしみけん×大泉りかが語る

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――人とのコミュニケーションがうまく取れないのと、ちんこへの執着がリンクすることってありますか？

大泉　アメリカ人らしいマッチョ志向で、「男根がたくましい」っていうのが一番素晴らしいと思い込んでるような気もしますね。でも、「俺はすごい」っていう優越感をぐいぐいと押し付けてくる人とコミュニケーション取るのって煩わしい。しかも、その「すごい」の根源がちんちんのサイズっていう、こっちにとってはどうでもいいものっていう……。

しみけん　ちんちんが一番自分をわかってくれるって思ったのかも。トムはそんな虚栄心をあらわにして、展示するときの見せ方もああだこうだって要望して……タトゥー入りのちんこを見ても、「うるさそう」って印象を抱くでしょうね（笑）。

■ちんこ対決は女にとっては不毛な戦い？

――男性が自分のちんこに抱くのと同じような感情を、女性もなにかに抱くことはあるのでしょうか？

しみけん　やっぱり顔ですかね？

大泉　いや、やっぱり女性にはないから、男性にとってのおちんちんの大切さがわからない。実家のオス犬を去勢したときに、父親が「かわいそうだろ」って阻止しようとしたんですよ（笑）。その前に、メス犬が去勢したときにはどうでもいいって顔してましたけど。「あぁ、男って、オス犬とそのちんちんに感情移入するんだな」って思いました。

しみけん　どのくらい大切かっていわれれば、心臓と同じくらい大事ですよ！　お父さんは、去勢されたらどんだけ悲しいかってわかったんでしょうね（笑）。

大泉　むしろ去勢した方が、前立腺がんのリスクが下がって長生きする確率が高くなるのに（笑）。でもまぁ、それだけ大事だから、ちんちんをけなされると自分がけなされたような気分になるのかも。ちんちんを褒められたがる人もいますけど、それはやっぱり自分が褒められたいってことだと思ってます。

しみけん　男は単純だから（笑）。でも僕は、ペニスはセックスというコミュニケーションにおける、最大のツールだって思ってます。この映画も、ペニスに執着する男を見て、「コミュニケーションって、どういうことなんだろう？」って思いながら見ると勉強になるんじゃないかな。

――しみけんさんのちんこは、相手ありきのものということでしょうか？

しみけん　他人のことを考えているんです。コミュニケーションって相手がどう感じるかが大事で。例えば自分は楽しい話をしているつもりでも、相手が不快に感じたら、それは不快な話ですから。もし僕のちんちんが博物館に寄贈されて、自分のちんちんに名前をつけるとしたら「あなたはこれを見てどう感じますか？　それがこれの名前です」にするかな。1つの名前をつけちゃうと、そのイメージに凝り固まっちゃうから。相手が見た感想を名前にしたいですね。

大泉　こうしてお話をして思ったんですが、しみけんさんって男根主義的なところが意外と全然ないですよね。自分のおちんちんを愛しているのは伝わってきますが、女に、自分のおちんちんを愛することを押し付けないというか。女も、「嫌われたくないから、セックス中、痛くても言えない」とかってありますけど、言っていかないと。そもそも、おちんちんにこだわる男性の心理って、女はわからないじゃないですか。だから、結局この映画でも、アラソンは「300人とヤッたんだぞ」、トムは「超デカい」という思いがあって、じゃあどっちが強いんだっていう戦いで、ただ女としては、それでどっちと良いセックスができるんだって話なんで……不毛な戦いかも（笑）。でも、男性にとっておちんちんというものが大事だっていうのはわかる。あと、おちんちんに翻弄されている男性ってかわいいな、と思えました（笑）。

しみけん　そう考えると、いつも、大切なことを教えてくれるのは、ペニスだったってわけですね！

一同　（笑）

『最後の1本～ペニス博物館の珍コレクション～』
8月8日、新宿シネマカリテほか全国順次公開
原題：The Final Member／カナダ／2012年／73分／カラー／ビスタ／5．1chデジタル／英語・アイスランド語 字幕翻訳：牧野琴子　後援：駐日アイスランド大使館　配給：ギャガ・プラス　R15＋
公式サイト
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【著書情報】

『AV男優しみけん　光り輝くクズでありたい』（しみけん、扶桑社）

出演本数7，500本超、経験人数8，000人のトップ男優・しみけんの初の単著。「往年のAV男優の肌が黒い本当の理由」「早漏のほうがAV男優に向いている」などのAV男優あるあるや、高校時代からAV男優を志しトップ男優に上り詰めるまでの軌跡、さらには“しみけん流テクニック”まで明かした充実の1冊。

『もっとセックスしたいあなたに』（大泉りか、イースト・プレス）

「もっと気持ちのいいセックスがしたい」という男の抱く願望は、まず「女性の心を知ること」が大切――。「女性の性欲の実態は、男性にあまり知られていない」と語る著者が、男性に向けて「女にとって、セックスとは？」「あなたはなぜセックスができないのか」などを解説。男と女の間に流れる“セックス”という深い河を渡るきっかけとなる1冊。

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