「BAILA」世代の心を揺さぶる90年代アイテムと、今も生きる「りぼん」の仕事と恋愛観
というのも、今月号には「井ノ原快彦の人生相談」というコーナーがあるのですが、彼は、「後輩を育てる上手な叱り方って?」の問いに、「説教は15分以内」と答えています。なんでも、男性は説教の時間が15分を超えると完全にキャパオーバーしてしまって頭に入ってこないそうなのです。
これが本当だとすると、彼側からしてもとことん話し合いたくはないだろうし、彼女としても、「とことん話し合っていない=そこまで深い関係にならない」からあっさり別れることができるのではないかと……。なんてったって、部活仲間は「一生モンのCHO→FRIENDS」。そんな「CHO→FRIENDS」よりも掛け替えのない存在に昇格するには、男性としてもよっぽどの努力が必要そうです。
それにしても、バイラーズ世代である最近のアラサーは、「家庭と仕事の両立を当然のものとして受け止めている」といわれることが多いそうですが、彼女の「今は男より仕事」と言いきれてしまうところに、「どちらも完璧にやるためには、まず仕事をしっかりしなければ」という覚悟を感じました。
思えば、アラサーの筆者がむさぼり読んだ90年代の「りぼん」の主人公は、なぜかみんな働いていたように思います。『パッションガールズ』のエリカや『こどものおもちゃ』のサナは学生ながら芸能界でバリバリ働いていましたし、一見平凡な女の子に見える『ママレード・ボーイ』の未希だって、中盤からバイトを始めました。もしかしたら、その頃からアラサー世代は「しっかりした生活基盤があってこその恋愛」という刷り込みがなされているのかもしれません。恋愛だけしていてはダメ。働かざる者、恋するべからず的な。そんなアラサーの一面が垣間見えた気がしました。
ということで、90年代のエッセンスがちりばめられていた今月号の「BAILA」。1993年に初上映されたジュラシックパークの続編が来月公開されたり、『セーラームーン』の新作が放映されたりと今、アラサーの「なつかしい」と思うものにスポットが当たっています。堅実とも言われるこの世代ですが、アラサー=消費ターゲットと目されている中、一度くらい奔放にあの頃の「あこがれ」を買いまくってみるのもいいのかもしれません。けれど、それがおしゃれかというと……それもまた謎なのですが。
(ルイーズ真梨子)