サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビューのりしろ女子になれない「BAILA」 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「BAILA」6月号 新しい男をゲットしてから彼氏を切る!! “のりしろ女子”になれない「BAILA」の恋愛事情 2015/05/18 21:00 女性誌速攻レビューBAILA 「BAILA」2015年6月号(集英社) 「8×4ワキ汗EXクリームカプセル」のサンプルが付録につき、すっかり夏モードの「BAILA」6月号(集英社)。このクリームカプセル、CMで気になっていた方も多いのではないでしょうか。先月号のキャミソールといい、こういう実用的な付録ってうれしいですよね。 そんな今月号の表紙には、でっかく「週4ブランドで『高そうに見える人』」という文字が踊ります。もはや「高見え」という言葉が形骸化され、「BAILA」の枕詞として使われるようになった今、新たなキーワード「週4ブランド」がお目見えです。しかし、この「週4ブランド」とは一体……? 期待に弾む胸に汗をかきながら、早速「BAILA」6月号を見ていきましょう。 <トピック> ◎“週4ブランド”で、「こなれて高そうに見える人」になる! ◎「明日着ていく服がない!」に悩まない新クロゼット ◎作家・宮木あや子のアラサー女子 恋愛ウォッチングvol.61 ■バイラーズの「ちょっとかわいそうな現実」 「週4ブランド」とはなんぞや!? はやる気持ちとともにページをめくると、そこには「気付けば週の半分以上、手が伸びる。しかもお値段納得!それが『週4ブランド』!」 というなんとも玉蟲色な説明が……。さらに「安かろう悪かろう、なんて昔の話。今は旬のデザインに良質な素材、さらには『価格が4桁~1万円台前半中心』という優秀ブランドが続々!」と続きます。 実際に、例として掲載されているのは「週4ブランド」とはUNIQLO、ZARA、GAP……。ん? それって「週4ブランド」=「プチプラ」っていうこと? そもそも、これらのブランドを「プチプラ」と定義することで、「安いものでも結構使えるわよー」「普段はセレクトショップよー」というスタンスを貫いていた「BAILA」。しかし、「週4ブランド」と言い換えてしまったことで、「プチプラ」ブランドこそが平常運転であると再定義されたようで、なんだか想定される商品価格帯がワンランク落ちたように感じられます。 景気回復がささやかれつつある昨今ですが、まだまだ不況からは抜け出せないのでしょうか。以前、「バイラーズは対象年齢が同等と思われる『Oggi』(小学館)『CLASSY.』(光文社)読者と比べ所得が低め」と書きましたが、アラサーにして毎日のコーディネートの大半が「プチプラ」だとすると、依然その側面が色濃い様子。バイラーズにアベノミクスの恩恵はまだ訪れていないようです。そう考えると、毎月「高見え」を追いかけるのも、「以前のファッションからランクを落とした」ことを悟られたくないバイラーズの必死のあがきなのかもしれません。 ファッション雑誌を閲覧する意義として、「着こなしを参考にする」「トレンドを知る」などさまざまあると思うのですが、「買いたい服を探す」というカタログ的な面も1つあるかと思います。分割払いでしか購入できないようなハイブランドばかり掲載されている雑誌も多い中で、明日すぐにでも購入できるような商品が満載の今月号の「BAILA」。華やかさが求められる女性ファッション誌の中で、読者の「ちょっとかわいそうな現実」に寄り添って実用主義を貫くあたり、なんと気骨のある雑誌だろうと思わずにはいられません。 12次のページ Amazon 『BAILA(バイラ)2015年06月号[雑誌]』 関連記事 「BAILA」のミューズは謎の外国人モデル!? 自分探しに奔走するアラサーの盲点アラサーはシャツさえ着てれば“高見え”!? その強引すぎる「BAILA」理論を読み解くアラサー向け「BAILA」に70万円のエルメスバッグ! 分不相応すぎる提案の意図とは?「BAILA」の新女性像「外側は女らしい、内側男前」、10年前の『anego』ブームとの違いとは?平成世代迎合を図った「BAILA」、「BUZZってる」のセンスに感じたアラサー雑誌の必死感