光浦靖子×ジェーン・スーが悩める女子に喝! 「“マウンティング女子”なんてただの消費文化」
左から『お前より私のほうが繊細だぞ!』(幻冬舎文庫)、『ジェーン・スー 相談は踊る』(ポプラ社)
スー 女友達は自分を映す鏡であり、最も目減りしない財産。ちゃんと向き合ってきた相手だったら、不愉快なことがあればはっきり言ってくるし、それで一瞬仲たがいしても、やがて戻っていく。自分のことをゲスくないとは言いませんけど、お互いのゲスさを出してもびくともしない関係を築いてきた自信はあります。
光浦 私も、女友達とのおしゃべりが、悩みの解消に一番即効性があると思います。私の場合は、「今日は、私が仕事で失敗したので慰める会だよ」とあらかじめ宣言して、みんなを集めます。そうすれば楽。そして1人来るたびに、「こんなことがあって……」と説明するんです。3人目くらいには、説明するのに飽きるでしょう。それで自然と悩みが忘れられます。女同士マウンティングして上に立とうという人がいるなんて、信じられない。
スー トップ・オブ・ザ・トップにいる人は、心根が真っすぐ。それは、トップになったから性格が良くなったのではなく、そういう人だからこそトップに立てたんじゃないかな。
光浦 人のよさでいったら、芸能界は天国。優しい人ばっかりなんですよ。逆にいえば誰も注意しないから、少しでも劣っていたら落ちて、精鋭だけが残るシステム。優しいけど、めっちゃ厳しい世界。
スー 他人を落とそうする心理には、自分の生き方に自信がないなどいろいろあるんでしょうけど、それは自分の可能性をあきらめているのと同じこと。人の足を引っ張るより、自分をあきらめないことの方が大事。なにごとも真顔でやるしかないですよ。
光浦 そう、純粋に生きていれば認められるんだよ。
(構成/安楽由紀子)
光浦靖子(みつうら・やすこ)
1971年愛知県生まれ。幼なじみの大久保佳代子と結成したオアシズでデビュー。バラエティ番組、ラジオなどに出演するほか、舞台やコラム執筆などで多彩に活躍。著書に『傷なめクラブ』(幻冬舎文庫)、『男子がもらって困るブローチ集』(スイッチ・パブリッシング)などがある。
ジェーン・スー
1973年東京生まれ。作詞家、ラジオパーソナリティ、コラムニスト、音楽クリエイター集団agehaspringsの一員として活動。著書に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)、『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)がある。
撮影協力:BOMA Tokyo