カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「nina’s」7月号
圧力鍋やレイコップに罪悪感……「nina’s」の頑張らない子育てがしんどい
2015/06/25 18:00
藤本氏が提唱するこの「母力」とは「子どもを守り育てようとする、お母さんだけが持つ力」と定義されています。「今日本が少子化なのは、子どもを産むことに前向きになれない人が多いからでしょう。お母さんが我が子を虐待する事件が後を絶たないことをみても、日本全体で母力が消えかかっているのだと感じます。このままでは、日本から『お母さん』がいなくなってしまうかもしれない」。お母さんがわが子を虐待する事件は、今に始まったことではありません。母子の問題が現代でこれほどクローズアップされるようになったのは、母子2人だけの時間が昔に比べれば圧倒的に長いからであって、それを「母力の消滅」に原因を求めるほどに、追い詰められる人が増えるのでは……。お母さんの生の声をお母さんたちに届けるという理念はとても尊いだけに、なんともやるせない気持ちになるインタビューでした。
食卓を花で飾り、オーガニックの挽きたてコーヒーで夫を起こし、子どものイタズラを「アート」と喜び、空いた時間は刺繍をチクチク、たまの圧力鍋やレイコップに罪悪感を覚えちゃう平成の頑張るオシャレママたち。日本から消えかかっているとされる「母力」とやらを取り戻そうとするママたちが、本当の意味で“なんだか余裕”になれる日なんて、果たしてやってくるのでしょうか。
(西澤千央)
最終更新:2015/06/25 18:14