仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

保田圭、「結婚=勝ち組」を猛アピールも……安倍なつみへのくすぶるライバル心の正体

2015/05/28 21:00
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『美ブス婚 最下位娘。の婚活物語』(ワニブックス)

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「ライバル意識が強いんです」保田圭
『しくじり先生 オレみたいになるな!』(テレビ朝日系、5月25日放送)

 ちょうど去年の今頃、保田圭の『美ブス婚 最下位娘。の婚活物語』(ワニブックス)のレビューを書いた。国民的アイドルグループ・モーニング娘。の一員でありながら、『うたばん』(TBS系)で、司会のとんねるず・石橋貴明やSMAP・中居正広から、外見について執拗な「かわいがり」を受けているのが不憫だったので、結婚が決まってよかったと本を手に取ったが、読後感は決していいとは言えないものだった。「日本人でもトップ10に入るくらいブスといわれている」をはじめとする自虐は「そんなことないよ」待ちにしか感じられなかったし、モテ女子について「すごい」と持ち上げながらも、その一方で「金に汚い」「ずるい」と感じられるエピソードをはさむあたり、怨念に似たものを感じさせる。

 しかし、24日放送の『バナナマンの決断は金曜日 傑作選』(フジテレビ系)で、「同窓会」と称し、新旧のモー娘。メンバー(中澤裕子、安倍なつみ、保田圭、吉澤ひとみ、小川真琴)が集まって食事をする様子に、保田の苦労が垣間見え、そうなるのも無理はないと思った。

 ここで保田は、あまり大切に扱われていない。まず後輩である吉澤に「ケメ(あだ名であるケメ子の略)」と呼び捨てにされている。保田は夫と一緒に風呂に入っていると夫婦円満アピールするが、中澤と安倍には「きゃ~」と顔を隠しながら笑われ、小川は「ヤダー」と叫ばれる。その様子は恥じらいというより、小バカにしているように感じられる。安倍は現在、妊活中の保田に対し、「あの圭ちゃんがねぇ」と発言するが、これまた頑張っている保田をバカにしている感じが漂う。ちなみに安倍は矢口の復帰会見について、笑いながら「泣いたね」と他人事のように発言していたが、安倍は中澤と後藤真希以外は、“下”に見ているようである。


 保田を“下”に見ているのは、安倍だけではない。『しくじり先生 オレみたいになるな!』(テレビ朝日系)で明かされたところによると、マネジャーに「一生しゃべるな」と怒られ、カメラマンには「そんなに使わないから」と撮影時間を短縮され、写真集を出せば、ほかのメンバーの撮影場所は海外なのに、保田だけ麻布十番と扱いが悪かったという。自分の立ち位置に悩み、1人部屋で泣く日々だったが、あるとき、取材で好きな食べ物を聞かれ、「白子と軟骨」とアイドルらしからぬ発言をしたところ、スタッフに大ウケしたことから、“笑われるキャラ”の道をまい進する覚悟を決めたそうだ。

『保田圭 エッセイ「美ブス婚―最下位娘。の婚活物語―」』