「婦人公論」でたかじん長女が、愛憎入り乱れる父への思いを告白
「婦人公論」(中央公論新社)新春一発目の特集は「新年から始めよう! 幸運を引き寄せる生き方」です。今までも何度となく登場した、運気アップ特集。昨年末最後の特集が「不安に備える『わたし年金』の作り方」でしたので、「婦人公論」において、“不安”と“幸運”は常にセットだとおわかりいただけるでしょう。人生に漠然とした不安を感じ、その不安を払拭するために幸運を願う。言ってみれば“よくわからないものに怯え、よくわからないものにすがる”ということです。
幸運とは読んで字のごとく「運」なわけで、いつどこに転がっているかわからない、努力でどうにもならない定め。だから「毎日を好転させる私の“元気スイッチ”」では著名人たちの気分上昇法を、「運に愛される3つの習慣」では「脳科学が教える『ラッキーな人』の考え方」「梵字をなぞって、迷いを払い理想の自分に!」「持ちモノ風水で今すぐ開運」と、「気」だの「脳」だの「梵字」だのよくわからないものがてんこ盛りです。「婦人公論」で江原啓之センセイが愛される理由がよくわかります。しかし「梵字なぞり開運法」の「なぞるタイミングは、基本的には『梵字をなぞりたい!』と思うときであればいつでもいい」というアドバイス、そもそも「梵字をなぞりたい!」っていうタイミングはしばしばやってくるものなのですか!?
<トピックス>
◎特集 新年から始めよう! 幸運を引き寄せる生き方
◎渡辺和子 幸せの鍵は、当たり前のことをありがたく思えるか
◎長女が語る「やしきたかじん」 父との大切な思い出を、捏造ストーリーで壊さないで
■わしの人生、わしのもん
そんな穿ったものの見方ばかりしていては、幸運はやってきませんよ! まずは心静かに冒頭のインタビュー「渡辺和子 幸せの鍵は、当たり前のことをありがたく思えるか」を精読しましょう。ノートルダム清心学園理事長で『置かれた場所で咲きなさい』(幻冬舎)の著者である渡辺氏が「幸せ」について語っています。
前号の美輪明宏インタビューのような“隙あらば自分マンセー”な内容ではありません。80代半ば、神に仕える身である渡辺氏が、時折高度な神様ジョークを飛ばしながら、半生を振り返っています。これがなかなか壮絶で、まず最初の悲劇は、9歳の時に父親が目の前で43発もの銃弾を受けて死亡したこと。2.26事件です。かなりトラウマになりそうな出来事ですが、相手を憎みながら暮らし続けることは「結局、相手にとらわれ、支配されているのと同じ」と考え「相手を許し、自由になること」を選んだといいます。「私はどんな時も自分の人生の奴隷ではなく、主人でいたいのです」。