深澤真紀の「うまないうーまん」第21回

いまは“多様な女性の生き方”の過渡期、現状を悲観せず生きやすい道を選ぼう

2014/12/22 22:00

 「遺伝子にこだわる向井亜紀と、姓を残したい野田聖子。不妊治療で浮き彫りになる法の難しさ」では、格闘家・高田延彦とタレント・向井亜紀夫妻、そして政治家・野田聖子のケースから、不妊治療という問題を考えた。

 向井が「血縁のある子供が欲しい」というだけではなく、「高田の優秀な遺伝子を残したい」という欲望を明らかにした一方で、野田は提供卵子を使った不妊治療をしても、政治家である「野田」という姓の方を重視したことについて考えた。

 「森三中・大島美幸の妊活休業、気負いのなさ・冷静さこそ支持したい」では、森三中の大島美幸が、「妊活」のために休業すると発表し、賛否両論が出たことを取り上げた。また多くの女性たちやメディアのなかで、妊娠についての知識があやふやであることが問題だと取り上げた。これについては宋美玄さんとの対談(前編後編)もしているので読んでみてほしい。現時点では大島は妊娠を発表していないが、本人の納得がいくようにしてほしいと思う。

 「法整備や父親を知る権利が整わないまま進む、個人間の精子提供」では、日本で、精子提供を持ちかける個人のサイトがあるというニュースや、自民党の「生殖補助医療に関するプロジェクトチーム」が、第三者の精子・卵子使用や代理出産を条件付きで認める法案を示したことなどから、生殖技術やその法制化だけではなく、生命倫理や生命哲学といった思想的な背景を持つことも大事だと書いている。

 「『私一人で育てる』の単独親権は、子供の意思を無視していないだろうか?」では、国際結婚をめぐる現在の状況や、「国際結婚しているカップルが離婚して、一方の親が無断で子供を連れて出国した場合、もう一方の親から申し立てがあれば、原則として子供を元の国に帰す」というハーグ条約に日本が加入したことから、国際的には共同親権が多いのに、日本では単独親権であることについて考えた。


 「生殖と関係なくなったとしても女は女。他人に決められるいわれはない」では、産まない私自身の生(性?)育史と、「生殖と女性」について考えた。このコラムを書いてから、私の更年期症状はめまいやうつ、さらに老眼や難聴などがさらに進んでいるが、これはこれでなんだか興味深い状況だと“観察”しているのである。

 「完璧を目指さず、迷惑前提の子育てを! 違う形で他人の迷惑を引き受ければいい」では、ベビーカー論争、子供用ハーネス(迷子ヒモ)問題、幼稚園や保育所への苦情の問題などから、80年代のアグネス論争から変わっていない「迷惑をかけない子育てをしろ」という状況があることを批判した。

日本の女は、100年たっても面白い。