[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」8月22日号

「婦人公論」読者に届くか? “いい子で生きていくと決めた”氷川きよしの不自然インタビュー

2014/08/16 19:00

 はい、「させていただく」がいくつ出てきたでしょうか? しかしこれはまだ序の口。37歳いい子で生きていくと決めた男の怒涛の謙譲語攻撃は、コンサートで出会った女子高生との一コマで最高潮を迎えます。

「きっと、会場にいらっしゃるお一人お一人が、それぞれの事情や思いを抱えて来てくださっているんですよね。どうやってその思いをくみ取ってさしあげられるか……、なんて言うとおこがましいですけれど、お客様の人生の貴重な時間、お金、労力を頂戴しているわけですから、その責任は重大だし、そのことを決して忘れてはいけないと思いました」

 この恐ろしいまでの非実在感――こりゃ反動でファンを「ババア」って呼んでもおかしくない! 目標である「力まず気負わず自然体」の真逆に向かっているきよしクンに、幸あれ……。

 「家族は安らかに死んだ」と思いたい気持ち、「氷川きよしクンはいい子なの」と思いたい気持ち、「婦人公論」世代の願望が静かに共鳴していた今号。人間見たいものしか見ない。それって最も確実に幸せを感じられる生き方なのかもしれません……。
(西澤千央)

最終更新:2014/08/16 19:00
婦人公論 2014年 8/22号 [雑誌]
きよしが支えてるババアの性欲の総量を考えると応援せざるを得ない