カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」8月22日号

「婦人公論」読者に届くか? “いい子で生きていくと決めた”氷川きよしの不自然インタビュー

2014/08/16 19:00

「実はカーテンに大便をこすりつけていたお母様のたましいは、家族のために意気揚々と家のリフォームをしていた時代にタイムスリップしていたのです」

 た、た、たましいがタイムスリップ……! 確かにテーマが「死」ですし、精神的、宗教的、哲学的な方向に話が向くのはやむを得ないとは思いますが、随分な飛躍です。さらに「もしかしたら今日の対談は、そのことを伝えてほしいと願うお母様の取り計らいかもしれません」とまぁ、にわかには信じがたいご都合主義でまとめられています。まさに死人に口なし。この対談では、「死は、逝く本人より、遺された者の試練」というより「死は、逝く本人より、遺された者の心持ち次第」ということを学ばせていただきました。家族よ、どうか私の死後にスピリチュアルな答え合わせをしないで……。

■本当にインタビューなのか疑いたくなる白々しさ

 続いて紹介しますのは、「婦人公論」のズンドコアイコン・氷川きよし。「プライベートの目標は親孝行 15年目のモットーは『力まず気負わず自然体』です」と銘打たれたインタビュー、いや「婦人公論」世代へ向けたラブレターですが、報道で取り上げられているように、現在きよしクンの周囲は元マネジャーによるゲイ疑惑・暴力行為疑惑などで、かなりザワついています。それを踏まえて読むと、このラブレターはかなり切ない仕上がり。どうすればおばちゃんたちから「いい子」に見られるのか、37歳の男性が考えあぐね、もがいている様子が切ないのです。そこで筆者がビビっときた「いい子」ポイントをいくつか挙げてみますと、

「近頃、買い物でも食事でも、一人で出かけるのがやたら楽しいんです。(中略)一人のほうが気楽なんて、かえって危険ですかね(笑)」
「今でも一人で電車に乗ったりすることを大事にしています。仕事では、常に車で移動する環境を用意していただき、それはすごくありがたいことですし、こんな悩みは贅沢だと思われるかもしれませんが、電車の乗り方もわからない自分はやっぱりカッコ悪いし、情けないですから」
「今年のお正月に伺ったあるお店(レコード屋さん)の演歌コーナーに、60代くらいの男性が3人いらっしゃったので、『氷川きよしです』と直接挨拶させていただきました。(中略)『最近の演歌の男はオバさんに媚びてばかりいる』と、怒ったようにおっしゃったんです。自分としては、ファンの方から求められているので、それに応えたい一心でやっているつもりだけれど、そういう見方をされる方もいらっしゃるんだなと」
「いろんな方の意見に素直に耳を傾け、参考にさせていただくことが大切ですよね」

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