[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」7月7日号

「婦人公論」で青田典子が教えてくれた、「心は支えてもカネは支えない」夫婦のあり方

2014/07/02 15:00
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「婦人公論」(中央公論新社)7月7日号

 今号の「婦人公論」(中央公論新社)、表紙は一時期向かうところ敵なしの美熟女優っぷりを振りまきながら、娘のスキャンダル以降はすっかりおとなしくなってしまった黒木瞳。表紙のガッツポーズは「あたしゃまだまだ消えないよ……!」という決意の表れでしょうか。インタビューでは今号でも追悼特集されている小説家、故・渡辺淳一氏との思い出を聞かれ「そうですね……。『化身』の前に2~3回お食事をした際、私が書いた詩をお見せしたことがありました。そしたら『君は女優になるより詩人になったほうがいいんじゃないかな』って。あれは悲しいやら嬉しいやらでしたね(笑)」。2~3回食事をしただけの作家に自作の詩を見せる、これぞ『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)を自分のリサイタルに変えてしまう女の胆力! 家族のスキャンダルくらいじゃビクともしません。

 ちなみに「追悼・渡辺淳一さん」では、林真理子氏が悲しみに暮れながらも渡辺氏とのバブリーな交遊録をガンガン語ったり、当代きっての伊達男「淳ちゃん先生」を銀座のママたちが偲んだり、昭和という後光が眩しくってしゃあない。林が「文壇の大黒柱を喪い、一つの時代が終わりました」と語った通り、林や銀座のママたちが語る「淳ちゃん先生」とその背後にある古き良き時代の書割は、役目を終え静かに仕舞われていくのだなと思いました。

<トピックス>
◎追悼・渡辺淳一さん
◎特集 お金を使っていても「貯め上手」の秘訣
◎私のまわりの「平気でウソをつく人たち」

そんだけお風呂入っても、ギラギラが抜けない玉置浩二

 さて今号の特集は「お金を使っていても『貯め上手』の秘訣」。三度の飯より“老後の心配”が好きな「婦人公論」と読者。“老後の心配”さえあれば、おかずはいらない方たちです。そして心配から救ってくれるものこそ、お金。しかし今年4月の消費税増税もあり、家計には厳しい状況が続いています。アンケート「読者100人の収支と悩みすべて見せます」では平均読者年齢57.3歳、夫は61.4歳という平均的「婦人公論」世代のお財布の中がつまびらかに。


 世帯の月収は平均59.7万円、毎月の支出は32.6万円、貯蓄の総額は1,284.8万円ということで、「なにが不安じゃい!」と言いたいところですが、「婦人公論」的にはこれでは足りず、1,972.3万円が貯蓄額の目標とのこと。ではどうやって貯蓄を生み出しているかといえば、これがなかなか壮絶。「金券ショップで買った商品券(1,000円)をスーパーで使う。1枚あたり20円浮く」(47歳・会社員)などはかわいい方で、「私が死ぬ頃には友人・親戚も少なくなっていて、香典をもらえるわけじゃないから。冠婚葬祭は一切出ない」(78歳・無職)と、もはや達観した人まで。人づきあいの退路を断たないと、あと700万円は上乗せできないのか……。

 老後の不安はお金で解消できると言いながら、結局は無くても不安、あっても不安。その辺りのお話はノンフィクション作家の吉永みち子氏の「不安の源に目を凝らしてみたら」で詳しく語られております。吉永先生いわく「貯め上手で使い上手というのは、きっとお金に振り回されない人」。この言葉を踏まえて読むとまた味わい深いページが「夫・玉置浩二のお財布は私が握っています」。玉置浩二の妻、元CCガールズの青田典子が金銭感覚のまったく異なる夫との家庭生活を吐露しています。失礼ながらすぐにでも離婚するだろうと思われたこの2人、ところがどっこい結婚生活も早4年。そこには青田の並々ならぬ苦労があるようで……。

婦人公論 2014年 7/7号 [雑誌]