コラム
仁科友里の「女のためのテレビ深読み隔週報」

ナイナイ・矢部浩之に見る、「非婚主義者だった男が親バカへ」というミステリー

2014/03/30 15:00

 非婚主義といえば、ロンドンブーツ1号2号の田村淳も、フランスのような事実婚を理想とし、日本風の結婚を否定していたが、あっさり10歳年下の一般女性と結婚。挙式の最中、花嫁よりもたくさんの涙を流す淳に、かつてのプレイボーイの面目は感じられなかった。両者とも40代を迎えての結婚というのも特徴的である。

 結婚をさんざん否定していたにもかかわらず、ちゃっかり結婚する。そして、結婚すれば、手のひらを返したようにその喜びに単純に溺れる。矛盾ある行為のように感じられるかもしれないが、このような行動パターンを取る男性には、特徴がある。彼らは「自分大好き」なのである。

 自分には価値がある。そう簡単に誰かのモノになれない。そう思うから、1人の女性に決めることができない。けれど、一度結婚を決めれば、自分が決めた故に価値があると信じて大切にする。

 「自分大好き」は大きく分けて二種類ある。1つが『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)にて「結婚して幸せだって言っている夫婦は、うちの両親だけ」と、円満な両親に育てられたと語る田村淳タイプ 、もう1つが『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で、毎日借金取りが来ていた子ども時代から「自分の力で成り上がった」と語る矢部浩之タイプである。

 どちらのタイプの「自分好きな男」も、どんな女と付き合っても満足はしないが、自分に飽きることはない。故に、もう1人の自分である「子ども」という存在をより強く求める。前者は「親にしてもらったように子どもを愛したい」と願い、後者は「自分がしてもらえなかったことを子どもに与えてやりたい」と「人生やり直し」の意味で、子どもを溺愛するのだ。

 40歳をすぎた男性にとっての結婚は、「介護」と「子ども」に重きが置かれ、故に年の離れた若い女性を相手に選ぶ。介護要員としての、妻と子どもを求めるのである。先日、47歳の坂上忍が15歳年下の一般女性との熱愛を報じられた。極度の潔癖症のため、家に女性を入れない、セフレはいるが彼女はいないという触れ込みは嘘だったということになるが、坂上は「体調の悪い時に、助けてもらっている」と介護的側面を説明した。今のところ、結婚はないと語っているが、それは典型的な男の嘘で、「子どもっていいよね」と述べている姿から考えると、交際相手が妊娠して結婚する日は近いだろう。

 人の話をきちんと聞くことは、人間として正しいことであるが、オンナとしては実は不正解なのかもしれない。「話半分」という言葉があり、話の半分は嘘や誇張であるという意味だが、オトコの話は話四分の一くらいでまだ多いくらいである。独身女性におかれましては、男の適当さに振り回されないようにしていただきたいものだ。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。
ブログ「もさ子の女たるもの

最終更新:2015/02/10 17:23
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