「1カ月たっても全然取れない」サロンは要注意! 医師も警告、“まつエク”トラブル

2014/03/30 19:00
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Photo by Nathan O’Nions from Flickr

 最近のナチュラルメイクブームも影響してか、すっかりまつげエクステ人口がつけまつげ人口を追い越した感さえある、昨今のアイメイク事情。まつエクサロンも高級店から激安店まで乱立し、価格破壊も始まっています。しかし、いまだに「まつエクしたら目が痛くなっちゃって……」的な話もよく聞こえてくるのが現状です。かくいう私も以前ネットで見つけたサロンに飛び込んだら、次の日結膜炎を起こしてしまったなんてこともありました。安全で楽しいまつエクライフを送るためにも、ここは今一度、“いいまつエクとはどんなまつエク?”について考えてみましょう。まず、“ヤバい”まつエクが引き起こすトラブルについて、東京都渋谷区の眼科、渋谷ガーデンクリニックの矢島新子先生にうかがってきました。

「まつげエクステによって起こる目のトラブルは、まず皮膚のトラブルがあります。エクステの接着面であるまぶたの皮膚が荒れてしまったり、赤くなってしまったりということがありますし、目の中にエクステの接着剤が入って、角膜に傷や炎症が生じ、目が開かなくなってしまっている患者さんもいます。実際、年々増えてきていますね。うちのクリニックではまだ見たことがありませんが、乾燥したりして治りが悪いと、角膜潰瘍にまでなってしまうケースもあります」

 安易に適当なサロンでまつエクをつけると、かなり怖いことになることがわかります……。では実際トラブルを起こしてしまったら、どのような治療を行うのでしょうか?

「炎症が起きてしまったら、抗菌目薬を使いながら治療をします。サロンに行って施術をした後、痛くなってしまった場合はもちろんすぐに病院に行くべきですが、目がごろごろしたり、まぶたのかゆみや赤みが出たときもすぐ病院へ行ってください」

 ちなみにその症状は、どのようなことが原因なんでしょうか? ぱっと見、どこのサロンも同じ器具を使って、同じ施術をしているように見えますが。

「どうも強い接着剤を使ってまつエクをつけるサロンの場合、まぶたでの炎症や角膜炎などのトラブルを起こしやすいようです。そして角膜に傷がついてしまって、なおかつ不衛生な器具を使っているようなサロンだと、その傷からばい菌が入ってしまう可能性も高くなるんですね。サロンの方も器具の確かな消毒を心がけて、安全性が確かな接着剤を使ってほしいと思います」
 
 なるほど。“ヤバい”まつエクは、やはりサロン選びによって避けられるかも。ということで、今度はまつエクの専門家である、東京都港区麻布十番のまつげエクステサロン・Richeのオーナーアイリストであり、美容家としても活躍する石井美保さんにお話をうかがってきました。信頼できないまつエクサロンの特徴として、どのようなことが挙げられるのでしょうか?


「最近多い、いわゆる“つけ放題”系のサロンは、施術の早さがとても要求されるんです。となると、どうしても強くてすぐ乾く接着剤を使わざるを得ないんですね。強い接着剤は目に悪かったり、毛自体も弱らせてしまうので、とてもよくないんです。刺激が強い接着剤を使っていると、目を閉じてエクステをつけられていても染みて染みて仕方がないとか、施術が終わって目を開けたら目が真っ赤になってしまうということもあります。接着剤が固まる時に出る、ホルムアルデヒドを含む揮発の成分が強いので、アレルギーになりやすかったりもするんです」

 アレルギーまで引き起こす可能性があるなんて、やはり強すぎる接着剤を使っているサロンは避けた方がよさそうです。では逆に、良いサロンとはどのようなサロンなのでしょうか?

「きちんと時間を取って施術するサロンであれば、伸びきった毛についているエクステを一度全部外してクリーニングをしてから、新しくエクステをつけていきます。本来はそれが正しい施術なのですが、早く施術をこなしていくサロンではその工程を全て省いてしまうんです。取れかかっているエクステもそのままで、空いている毛にエクステを足していくだけになっているので、そうすると取れかかっている毛がひっくり返って目に入ったりして、トラブルの元にもなるんです。要は丁寧な施術をしているかどうかの差だと思いますね」

 “早い・安い”がウリのサロンとそうでないサロンでは、出来上がりの見た目の仕上がりとしても違うものですか?

「毛の質は同じように見えて、ピンからキリまであります。一本ずつではわからなくても、全部ついてみると毛の柔らかさや触り心地だとか、まばたきした時に違和感がないという部分では変わってきてしまいますね」


 なるほど。安全性だけでなく、見た目やつけ心地もいいに越したことはないですよね。では、今通っているサロンが“ヤバい”サロンかどうか、ジャッジする方法はあるのでしょうか?

「まず施術が終わった時に、違和感があったらもちろんNGサロンです。エクステは根元から1mm離して着けなければいけないのですが、まばたきをしたときにちくちく当たる感じがあるのは、ぎりぎりの根元についていたりとか、皮膚までついていたりすることが原因です。あとは、隣同士のエクステとエクステがくっついていて引っ張られる感覚があるとか、自まつげを巻き込んでしまっていて突っ張る感じがすることもまずいので、注意してみてください」

 新しくサロンを探す時に、気をつけるポイントがあったら教えてください!

「“1カ月たっても、全然取れない”みたいなことを謳っているサロンには注意した方がいいと思います。安全な接着剤を使ってエクステをつけて、普通の生活をしていれば、1カ月でまあまあ取れてくるのがまともなエクステ。なので“全然取れない”をウリにしているサロンは、強すぎる接着剤を使っている証拠かなと思います。あとは、エクステはコンスタントに通ってメンテナンスをしなければならないものなので、自分が無理なく通える範囲の場所と価格帯のサロンを選ぶことがとても重要です」

 これから新生活を迎える人も多いこの時期、ぱっちりな目もとに憧れてまつエクに挑戦するときは、これらのチェックポイントに注意してサロンを選んでみるべきかも。そして今すでにまつエクが習慣になっている方、あなたが通ってるサロン、“ヤバい”サロンじゃないですよね!?
(岡野里衣子)

取材協力
・まつげエクステサロン「Riche

最終更新:2014/03/30 19:00
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これだけ語って、編集部でやってる人がいないというね!