不快指標だったのに!

「露出し過ぎなセレブ」ランキングの意味合いが変えた、米リアリティ番組の隆盛

2014/03/14 18:00

 第5位は、美少女コンテスト荒らしとして全米から奇異の目で見られている、ハニー・ブー・ブー。熾烈を極める米美少女コンテストの出場者の奮闘生活を追った『Toddlers & Tiaras』で、親やトレーナーにハッパをかけられてけなげに出場する細くか弱い少女たちの中で、肥満児なのに自信満々で「悪いけど勝つのはアタシだし」と超高飛車に言い放って周囲を唖然とさせる6歳児として人気を集め、彼女を主役にしたリアリティ番組『Here Comes Honey Boo Boo』まで制作された。大金を稼ぐ彼女は、白人の低所得層を絵に描いたような家族にとって大黒柱なのだが、悲壮感はまったくない。超肥満体の母親や小さくて存在感の薄い父親、生意気な姉たちの頂点に立つハニー・ブー・ブーは毎日ご機嫌。下品極まりない貧困家族の日常を追うこの番組は、評論家からは不評だが視聴率はとてもいい。このランキングに入ったということは、「見たくないのに見てしまう」という視聴者の葛藤の表れなのかもしれない。

 第6位、第9位、第10位には、キム・カーダシアンの母親と姉妹であるクリス・ジェンナー、コートニー・カーダシアン、クロエ・カーダシアンがランクインした。キム同様、リアリティ番組『Keeping Up with the Kardashians』で私生活をさらけ出している彼女たちは、お金持ちながら、男運が絶望的に悪い。クリスと別居中の夫ブルース・ジェンナーは性転換手術秒読みと報じられ、コートニーは子どもを2人もうけたスコット・ディシックと婚約中だが、今なお結婚はしていない。クロエは、09年に交際1カ月で電撃婚したプロバスケ選手ラマー・オドムの浮気や薬物依存に悩み、昨年末に離婚することを決心。女のプライドを引き裂かれるようなプライバシーを、自ら進んで世間に公表するという「なんでも売って金にする」銭ゲバぶりが嫌われているようだ。

 第7位に選ばれたのは、イタリア系アメリカ人男女の同居生活を追ったリアリティ番組『MTV Jersey Shore~マカロニ野郎のニュージャージー・ライフ~』で一躍有名人となった、スヌーキーことニコール・ポリッツィ。12年に出産して落ち着いたかと思いきや、産後ダイエットに成功した途端に調子づき、ダンスコンペ番組に出場するなど相変わらず。55%から「露出し過ぎ」と認められた。

 最後にご紹介する第8位は、先月33歳になったパリス・ヒルトン。最近はお騒がせセレブではなく、DJとしての活躍ぶりが話題になることが多く、本人も「世界で5本の指に入るトップDJだし」とにっこり。有名DJたちからは総スカンを食らっているが、「アタシって超人気DJ~」と調子に乗っており、いつになっても変わらぬ厚顔無恥ぶりで53%から「露出し過ぎ」と選ばれた。

 「Eポール・マーケット・リサーチ」は、01年から「最も露出し過ぎなハリウッドセレブ」調査をしているが、当初はセレブが露出し過ぎることは悪いことだと見られてきた。しかし、今回ランクインしたリアリティ番組スターたちはそれが仕事であり、「露出し過ぎ」と認定されることは、存在を認められたようなもの。パリスも露出することをライフワークとしている節があるため、ショッキングな話題もないのにトップ10入りできたことは光栄だろう。ある意味、「不人気ランキング」だったこの調査だが、時代とともに意味合いが少しずつ変化しているのかもしれない。


最終更新:2014/03/14 18:22
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