噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第212回】

年下男との不倫スクープもいまいち広がらない、広末涼子の芸能界的“つまらなさ”

2014/03/04 21:00

 「夫が仕事で不在」の隙を縫って、というのは広末と矢口の共通だが、場所が大きく違う。矢口は「夫との愛の巣である自宅」であり、広末は「浮気相手のマンション」。矢口不倫騒動の世間様の反応はこの点に反応したのだろう。しかも、「夫婦の寝室で浮気」だった。これはもうセンセーショナルにならないのがおかしい。だが矢口騒動が広がった最も大きなポイントがあった、それが夫の存在だ。妻の浮気現場に踏み込んでしまった中村昌也は逆上した。そしてマスコミに情報を流しまくった。そうでなければ、次々と浮気現場の様子や、ディテールが出てくるはずはない。もちろんマスコミも多いにこれに乗り、いろいろ書いた。中村サイドからの情報だから、当然の論調は矢口を批判するものが多かった。

 さらに、矢口当人と事務所サイドの対応も遅れた。一度はレギュラー番組に姿を見せた矢口だったが、その後雲隠れ。「会見を開いて、釈明しろ!」と大騒ぎになった。さらに、このスキャンダルをワイドショーも報じていく――。一方、広末の場合は、芸能界の力学からか、ワイドショーはほぼスルー。批判のトーンもあまりない。お相手の佐藤は、梅田賢三と違って売れっ子イケメン俳優。今後も活躍が期待できる佐藤を守りたい、というメディアの思惑もあるから叩きづらい。そして、夫のキャンドルも“大人”な態度でこれを静観していることだ。これでは騒動は広がらない。

 だが、結局は広末の不倫は面白くないというひと言につきるかもしれない。素敵な有名俳優と浮気する広末。彼と過ごすためには、お部屋だろうがばっちりドレスアップする。プレゼントも持っていく。しかも、広末と浮気にはなんだか親和性があって、意外でもなんでもない。これで離婚ってこともないだろう。ケッ。いいんじゃないですか。結構ですね。聞いていて全然楽しくないのだ。一方の矢口は、格差婚だが、内実はラブラブではなく、夫が不在時に合コンで泥酔して、無名の男を自宅に引っ張り込む。そして夫に見つかり修羅場――。野次馬として、ものすごく面白かったのだ(それは今でも続いている)。

 だが、不倫が発覚したことで、広末と佐藤はもう別れると思う。何度も言うが相手は梅田でなく佐藤だ。24歳で俳優としても今後の将来も明るい。しかもモテる。致し方ない。面白くないスキャンダルも時にはあるものだ。

『木嶋佳苗 法廷証言 (宝島SUGOI文庫)』