サイゾーウーマンコラム浅田真央を苦しめる、日本の国民性 コラム 今井舞の「週刊ヒトコト斬り」 「ショート16位発進」浅田真央と日本国民を苦しめる、罪深き我々の“国民性” 2014/02/20 19:00 週刊ヒトコト斬り浅田真央三菱地所刈谷富士雄 『浅田真央 そして、その瞬間へ』(学研マーケティング) ――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる! ◎日本が沈みきった1日 まさかこんなことになるとは思わんかった。浅田真央・ショート16位発進。じゅじゅじゅ、16位て……。今見終わったけど、お通夜か。日本国内の沈み込みぶりたるや、ちょっと尋常じゃない感じである。やるだけやっての負けではなく、完全に「自滅」ってところがこたえるというか。あまりな低順位に、得意な「ドンマイドンマイ!」すら繰り出せず、気持ちの逃げ場が確保できない。これが韓国だったら、ストレートに袋叩きになるところだろうが、日本はそうじゃないから。笑顔で健闘を心から称え、失望はなるたけ奥に飲み込む。結果、真綿で彼女の首を絞めるような、重苦しい空気だけが残るのである。ああ国民性。 しかし、お通夜か。国会の国旗が半旗になりそうな勢いである。ワケわからんが、ちょっと黙とうしてみた。そうでもしないと、浅田真央の気持ちになっていろいろ考えて眠れなくなっちゃうからさぁ。あーあ。もう、この数分のためにあんなに頑張ってきたのに、あれは何だったんだろ。ここで終わるのかぁ。今日もあるけど。頑張らなきゃいけないけど。でもこういう終わり方なのかぁ。あー……。黙とう!! ◎「見に行こう♪」と言われても 「三菱地所を見に行こう♪」ってまさかあのCMが放送再開されるとは思いもよらなかったけど。もう流してやんの。いい度胸だ。見に行かねばならない三菱地所はほかにあるというのに。万人からそうツッコまれること必至で、歌を聞けば皆が「あの件」を思い出す。もともと過ぎる自己愛が鼻につく、あまり好印象のCMではなかったと思う。桜庭ななみに罪はないが、あれはもう封印すべきだった。なのにまた。 見に行かなければならない三菱地所は、NYでも丸の内でもなく、青山にあるのである。社員総出で、三菱地所が見に行けや!! ◎まさに「学べるスポーツ」 各局とも、元選手などを駆り出し、素人には難解なフィギュアスケートの解説に努めていたが。「練習は積んできましたから、あとは自分を信じて」なんつって、結局みんな精神論。安藤美姫も「解説」として出るからには、モロゾフコーチの長所短所指摘するくらいの覚悟がなきゃあな。 そんなボンクラ解説の中で、1人光る師範が。NHKアナウンサー兼解説員・刈谷富士雄氏である。夏冬五輪から、野球、大相撲、競馬までこなす、実況20余年の大ベテラン。教育・教養番組も担当経験があるせいか、説明が門外漢にも実にわかりやすい。羽生結弦がショートで高得点を出した際、「得点そのものは高いですが、内容を見ると、演技構成点で羽生はチャンに負けています。フリーではこの演技構成点の占める割合が倍になりますから、この点差でも決して安心はできません」と、ポイントを明確に提示。「自分を信じて」なんつう話じゃなくて、こういう視点が欲しいのである。 この噛んで含めて教えてくれる口調と雰囲気、誰か似てると思ったら、池上彰にそっくりなんである。確かにスポーツ解説の分野にも1人ほしかったんだよな池上彰。この名称、資格ある人にのれん分けしていけばいいと思う。「ラーメン二郎」みたいに。 今井舞(いまい・まい) 週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。 最終更新:2019/05/22 16:34 関連記事 松岡修造、選手以上のコンディションで見せた、オリンピック中継の妙技「万能細胞」発見の女性研究者に予期する、意外なもう1つの才能とは?手前味噌の発動装置として働く『国際ドラマフェスティバル』『美魔女コンテスト』の直球すぎるネーミングが喚起するもの全米で大人気の由紀さおりが、なぜか日本で盛り上がらないワケ 次の記事 Sexy Zone、苦肉の末前作超え果たす >