サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビューセレブライター登場、「VERY」舞台裏 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「VERY」2月号 セレブライター登場! 華やかな「VERY」舞台裏が、読者の安定剤となる理由 2014/01/28 21:00 女性誌速攻レビューVERY 「VERY」2014年2月号/光文社 今月の「VERY」(光文社)の第1特集は、編集部で実際に働く女性たちをフィーチャーした「VERの舞台裏」。トップのページでは、雑然とした編集部を行き交う女性たちの写真を見開きに使用しており、まるでドラマのオープニングのようです。 雑誌というのは、アイコンになるモデルがいて、お手本となるファッションが提示されているもの。そのモデルを作るスタッフやファッションを固めるスタッフの姿は紙面には現れません。しかし、「それを作っている人たちもオシャレなんです」と裏方にフィーチャーして特集まで作ってしまう手法は、アメリカのドラマや映画にはありますが、よく考えたら、日本の雑誌ではあまりなかったように思います。 読者が「VERY」編集部にあこがれれを抱いていなければ、ただ鼻につくだけで終わってしまうこの企画。早速読んでいきましょう。 <トピック> ◎VERYの舞台裏 ◎コ・ジ・マ・メ・セ・ンのもしかしてVERY失格!? ◎夫婦の大問題! 産後クライシスへの処方箋 ■セレブライターの1日に驚愕!! 筆者は、今回の特集で「VERY」専属ライター女性の日常を見た時、「これは、モデルさんがライターを演じて、それらしく撮影しているんだろうな」と思っていましたが、そこに写っている女性が、正真正銘、ホンモノのライターさんだと知り、驚愕しました。だってこのライターさん、子どもと一緒に幼稚園へ登園、南青山のスパイラルで打ち合わせ、幼稚園から保育施設へ、レセプション@原宿モントークなんて1日を送っているんですよ! ドラマを作るのと同じように、写真のトーンやページの色合い、レイアウトも含めて、「デキる女の物語」演出がばっちり施されているとは思いますが、それにしても華やかすぎる。 これに対して、「VERY」で働く、内勤のエディターの方のページは、ライターさんのように、レセプションでゲストたちと友達気取りを楽しむようなセレブ感はないけれど、その代わり、新米エディターの初々しさ溢れる生活が描かれています。編集部内を台車で移動したり、コピーをとったり、デスクで手作りのお弁当を食べたりと、まるで30代OLの1カ月着回しコーデ企画を読んでいるよう。「ライター」と「エディター」の演出の違いがはっきりと出ているように思いました。 最近のドラマ界では、きらびやかな職業の夢物語より、いかにその職業の現実を描けるかが人気を呼ぶ秘訣と言われています。今回の特集もまた、読者に夢のようなライターの世界を見せつつ、同じ目線で見てもらえるようなリアリティある職場の様子を見せています。 そんなことを思いながら、小島慶子さんの連載「コ・ジ・マ・メ・セ・ンのもしかしてVERY失格!?」を読むと、興味深いです。テーマは「ママコスプレ」。要約すると、ママたちは、実際には絵にならない日常を生きているからこそ、幸せなママを演じる「ママコスプレ」をしているのだ……というエッセイです。自分を客観的に眺めると、コスプレすることがあるから、誰かのコスプレを笑えないし、それは日々を楽しく生きる知恵でもある。「ママコスプレ」をしてしまう、必死でみっともない自分を許すように、ほかの人のみっともなさも受け入れよう……という内容でした。 12次のページ Amazon 『VERY (ヴェリィ)2014年 02月号 [雑誌]』 関連記事 「風水」「半沢直樹の妻」「3歳児神話」を推奨!? リアリスト「VERY」が大迷走!幸せな主婦像から脱却した「VERY」、わかったふうな顔の裏に潜む「複雑な牽制合戦」「完璧な家庭づくり」からドロップアウト、あの「VERY」が離婚を考えだした!「VERY」川の字問題に見る、「妻であり母であり女である」ことへの限界「VERY」読者の魂を救うのは、女神・井川遥とアイドル・イケダン