サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビューわかった風な顔の「VERY」が怖い カルチャー [女性誌速攻レビュー]「VERY」12月号 幸せな主婦像から脱却した「VERY」、わかったふうな顔の裏に潜む「複雑な牽制合戦」 2013/11/24 16:00 女性誌速攻レビューVERY 「VERY」2013年12月号/光文社 「VERY」(光文社)はここ5年10年、中身も読者の年齢層もどんどん変化しています。しかし周囲の男性(特にアラフォー以上)からは、「『VERY』に出てるようなコンサバな女性好きなんだよね!」なんてことを言われることも。そう言われるたびに筆者は、「いや、いまどき『VERY』に白シャツにタイトスカートみたいなコンサバはいないし、想像してるのと全然違うと思うよ……」とモヤモヤしています。 ファッションページを見ても、カジュアル派の筆者にも参考になるアイテムが多いし、以前ほど「『VERY』妻って、なんかとっつきにくいなあ……』という印象もなくなりました。 ただ、明らかに足りなくなったものといえば、「私はアナタより女として上なのよ」という威圧感。もちろん、まったくなくなったわけではありませんが、うまいことトゲがなくなり、まろやかになった感じ。いや、「VERY」の目指す理想の女像が、より複雑になったという方が正しいのかもしれません。 <トピック> ◎普通っぽいのにオシャレに見える人の着こなしテクニック ◎私たちがいま読みたい本とマンガ ◎冬は外面美人でいいんです! ■大切なのは“誤差レベル”のオシャレ? 先述の「複雑になったと」という点は、第一特集の「普通っぽいのにオシャレに見える人の着こなしテクニック」にも垣間見えます。 これが昔のファッション特集だったら、もっと「私はアナタとは違うのよ!」という特別感が全面に出ていたと思うのです。けれど今では、浮いたり目立ったりはしないけれど、横並びに見えるママ友コミュニティの中で、「でもこの人はちょっと違う。オシャレをわかってる」と、誤差レベルのオシャレを感じさせるような、細やかな特別感を感じさせる内容になっています。 この微細なオシャレとは、「クルーネック(首つまり)のニットが流行っているから、ボリュームのあるネックレスを取り入れる」とか、「若い世代で流行っているニット帽を『VERY』らしく取り入れる」といったもの。微細すぎて、男性にはさっぱりその特別感がわからないでしょうし、以前のように「『VERY』は、コンサバだけどちょっと色っぽい」と、男性にファンタジーを抱かせることも少なくなっています。 123次のページ Amazon 『VERY (ヴェリィ) 2013年 12月号 [雑誌]』 関連記事 「完璧な家庭づくり」からドロップアウト、あの「VERY」が離婚を考えだした!「しんどい母」の立場から、娘を褒められないママの葛藤をえぐる「VERY」「VERY」の細部ににじみ出る、お受験ママのファッションと受験校のヒエラルキー「3.11」以降の「VERY」はどうなる? 「お受験」「教育」に大きな変化"上品な奥様向けの雑誌"「VERY」が、「婦人公論」を"下品"呼ばわり!