【連載】ブラック企業<黒の社則>

風邪を引いた社員をヒステリックに罵倒! “成り上がり”女部長のブラック体質

2014/01/13 21:00

 しかし、その一方で、社員から舐められていたという一面も……。

「ガミガミいうだけで、管理する力も状況を把握する力もない人だったので、本人の前で従順にしていれば、隠れてサボっていようが、居眠りしていようがまったく気づかれませんでしたよ。みんな、陰でバカにしていましたから。嫌気が差して、会社を辞めてしまう人も何人かいました」

 一人前の管理職と思っていたのは本人だけで、実際にはすべての部下から鼻で笑われていたわけである。この女性部長氏、裸の王様ならぬ「裸の女王様」そのものだったようだが、一体なぜ彼女のようなモンスターが生まれてしまったのか。

「この女性部長氏の上司に当たる男性の経営幹部も、営業担当としてはとても有能でしたが、管理者としてはまったく能力のない人物だったんです」

 こういう「負の連鎖」は多くの現場でみられる。この女性部長氏の場合、いきなり管理職にさせられ、しかも指導や教育も十分に受けることなく部下をあてがわれたということは気の毒かもしれない。しかし、ただ威張ってガミガミ怒鳴り散らすことを威厳でありリーダーシップであると勘違いしてしまった彼女自身にも、もちろん責任はある。


 ともかく、単に「女性社員が多数在籍」とか「女性管理職が多い」という外面的な要素だけで、女性に対する配慮がある企業だろうといった憶測を持つことは禁物である。ブラック企業として名の知れた会社でなくとも、こうした“ブラックな上司”は実はそこかしこに潜んでいる。特に、就職活動中の女子大生などは、甘い言葉に惑わされることないように注意すべきだろう。
(橋本玉泉)

最終更新:2014/01/13 21:00
『うちの会社ブラック企業ですかね?』
部長と、彼女を抜擢した上司の関係が匂う……?