専業主婦は冬チャリファッション!? 「STORY」が40代のオシャレを雑に分類
ちなみに、晩産の<新世代ママ派>はプレスクールやお稽古の送り迎え、買い物も全て車移動だそうで、運転に邪魔にならないファッションとして、レザーコンビジャケットや薄手のジャケットを紹介しています。<新世代ママ派>代表の読者モデルも、「(プレスクールは)歩いて行ける距離にある教室ですが、冬の寒い時期や夏の暑い時期は車で」とのこと。専業主婦は極寒の中チャリ移動だというのに、新世代ママは過保護なの、怠惰なの、芸能人なの!? だいたい、専業主婦だって場所によっては車を使うだろうし、新世代ママだって近場ならチャリを使うこともあるでしょうに。納得できません。
そもそも、どういう人が「STORY」を読むのかということを考えれば、この分類はナンセンスであることがわかります。世の中の全ての40代が「STORY」を読むわけではないんです。「極寒だろうがなんだろうが、チャリをこぎやすいカジュアルな服しか着ません!」という人は、「STORY」は読まないでしょう。朝から深夜まで仕事してようと、夜遊びを満喫しようと、チャリをぶっ飛ばしてようと、お教室におクルマで乗り付けようと、どんな暮らし、どんな生き方をしてようと「『STORY』のスタイリングが好き」という人しか「STORY」は読まないわけです。逆に言えば、「『STORY』のスタイリングが好き」という人は、どんなシチュエーションでも「STORY」っぽいファッションを求めているんです。
その大前提をすっとばして、「STORY」はいつも「40代は40代は」と全40代女性の代表雑誌のように40代を勝手に集約し、「バリキャリはこう」「主婦はこう」とものすごく雑に切り分ける。「今、40代は選択肢が広がり、生き方も自由」というテキストに最初から矛盾しているんです。それならいっそ「血液型別おすすめファッション」でも特集してくれたほうがマシってもんですよ!
■ファッションもブロガーの時代
腐してばかりもなんなので、おもしろかった記事をご紹介します。「真似したい! ついに大人世代『海外ブロガー』現わる!!」という企画ページ。海外のおしゃれブロガー、ブレア・イーディーを紹介しています。40歳である筆者は20代の時、ケイト・モスを含むスーパーモデル大好き女子だったので(そういう時代だったんです)、海外のファッションネタは気分がアガります。今の時代、オシャレの先端はセレブではなくブロガーなのだそうです。ビビッドピンクのジャケットにビビッドイエローのスカートを合わせたり、迷彩柄のジャケットにデカいシャネルのロゴブローチを付けたり、日本人の感覚ではあまり見ない(海外のセレブでもあまり見ない)コーディーネートが新鮮。そのまんま参考になるかといえばはっきり言ってなりませんが、「おしゃれって自由だな、楽しそうだな」と思わせてくれます。
生き方が多様化している時代だからこそ、「小学一年生」(小学館)みたいな学年誌ノリのファッション誌には無理がある。「40代は~」とことさらに強調しなくても、その世代になんとなく共通する感覚みたいなものが、根底に緩やかに流れていればいいのではないでしょうか。6月号でケイト・モスのアイメイクが取り上げられた時も興奮したのですが、個人的にはそこ、ツボっす。
(亀井百合子)