川島なお美の夫への異常な嫉妬と過干渉に見る、「少女病」という悩ましい病
独身女性にとっては、海のものとも山のものとも知れない結婚――。世間をにぎわす芸能人夫婦から見えてくる、さまざまな結婚・夫婦のあり方に、“結婚とは何ぞや”を考えます。
【第5回】川島なお美&鎧塚俊彦
最近、バラエティ番組の主流となりつつあるテーマが、「夫婦問題」である。傍目からは想像もつかない、お互いの人となりを暴露する形式が多く、当然、仰天エピソードを持つ「危ない夫婦」にスポットが当てられる。2009年に、パティシエ・鎧塚俊彦と結婚したものの、わずか3年で夫に帰宅を拒否されるようになった女優の川島なお美は、芸能界屈指の「危ない夫婦」の地位を固めつつある。
原因とされるのは、川島の過干渉。夫が男性だけで飲みに行くと、隣の店で待ち伏せて「そろそろ、帰らない?」とメール。夫が無視していると、一緒に飲んでいるであろう友人の妻経由で「帰って来い」と催促。干渉は仕事にも及ぶ。パティシエという仕事柄、食品の試食会や断れない宴席が多く、夫の飲酒量やカロリーが過多になっていることを危惧した川島は、取引先に「鎧塚に食べ物を与えないでくれ」と電話して、夫を激怒させる。浮気にも敏感で、パーティーで少しでも姿が見えなくなると、従業員を使って夫を探させるらしい。
川島は『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)において、これらの行為を「愛してるから、心配する」と説明したが、男性出演者には概ね不評で、弁護士は「愛ではなく支配。離婚の正当な理由と裁判所が判断する可能性は高い」と、川島の行為が常軌を逸していると指摘した。
川島に限らず、恋人や夫の全てを掌握したい「嫉妬深い」女性がいる。交際中に夫が携帯にロックをかけていることを知り、夫と一緒に出かけた友人の結婚記念パーティーで「携帯のロックをかけずに、浮気なんてしていないことを証明してあげてください」と公衆の面前であてつけのスピーチをする川島も、嫉妬深いタイプと言える。しかし、ほかの女性との親密なメールのやり取りを発見するなど、明確な原因があっての嫉妬は、ある意味普通のことである。それでは、1つ屋根の下で暮らし、夫婦という社会的に認知された存在になったにもかかわらず、そして夫が帰宅を拒否するまで嫌がっていると知りながら、なぜ川島は干渉を続けるのだろうか。
可能性は2つある。1つめは、生まれつき病的に嫉妬深い場合である。これは誰にもどうにもできない。2つめは、結婚生活に強い不安を抱いている可能性である。自分が愛されている確証がなく、不安が募り、尽くすことで夫に感謝されたい、尽くせば愛されるはず、これだけやっているんだから褒めて、私のことをもっと愛してという無限ループに陥っている場合が考えられる。
愛しているから結婚したのに、なぜ不安になるのかといえば、愛されていない証拠(例:夫の不倫など)を具体的に見つけてしまったか、結婚生活が期待していたほどでなかったかのどちらかである。夫婦の内情は他人にはわかるはずもないが、川島なお美の『熟婚』(扶桑社)を読む限り、後者なのではないかと思われる。本書は川島が「熟婚」(筆者注:成熟した男女が、いわゆる婚活のようながつがつしたものでなく、自然に惹かれて愛しあい、結婚するという意味の川島語)するためのハウツーを書いたものだが、川島の男に愛されるための必死ぶりには唖然とするばかりである。