サイゾーウーマンコラムコマザワンヌの犬生活が刺激するブス魂 コラム [連載]安彦麻理絵のブスと女と人生と 高田馬場のババンヌのブス魂をドス黒く刺激する、「コマザワンヌの素敵なワンコ生活」 2013/10/27 21:00 安彦麻理絵のブスと女と人生と (C)安彦麻理絵 柴犬の太郎がうちに来て、2カ月以上がたった。最初の頃は、それなりにまぁ手を焼いた。甘噛みがひどいとか、床の上にオシッコジャ~とか。しかし、子犬ではないので、気が付けばあっという間に、それほど手がかからなくなっていた。 犬の成長は早い。10月2日で彼は1歳になったのだが、ハッキリ言って、2歳の花子や3歳の寛太よりも、ぜんぜんシッカリしている……「後から来たのに追い越され」とは、まさにこの事。今、太郎は5歳の正太と同じ、保育園の年長さんぐらいに見える。しかし、来年の今頃には「今日は夕飯いらないから」とか言って、友達と外で牛丼でも食って来そうなくらいに成長してそうで、なんだかこわい。 近所のオバさんたちからは「子どももいるのに、犬の世話なんて大変じゃないの?」と言われるが、心配されるほどそんなに大変ではない。何故なら、犬は別に、眠いからといってグズリまくったりしない。「こんなの食べたくない!!」とゴネる事もないし、昼寝から目が覚めて超機嫌悪いなんて事もない。「パンくれないんなら、この牛乳こぼしてやる!!」とか脅しをかけてもこないし、「いやだ!! お菓子!! だっこ!!」などと暴れて泣き喚いたりもしない。人間の子どもに比べたら、犬の大変さなんて、本当にハナクソみたいなもんである。そう考えると、うちの子どもらは今「犬以下」と言える。 そんなふうに、特別そんなに問題点が見当たらない太郎なのだが、しいてひとつ上げるとすれば……「マウント」。犬が、人間の脚などにつかまって腰を振るアレである。アレにはちょっと困っている。「病的」とまではいかないが、しょっちゅう私の脚にしがみついてくるのだ。犬のしつけ本を読むと「自分の方が上位である事の主張なので、絶対に許してはいけません!!!」てな事が書かれている。だからその都度、やめるように叱っているのだが、さっぱり言う事を聞かず。脚払いで払いのけても、また挑んでくる。犬のマウントには「性的な意味合い」はなく、メス犬でもやる奴はやるらしい。しかし、そうは言ってもこんな事、されて気持ちのいいものではない。そんなわけで、ネットで色々調べてみたら「無言で背中を向けて無視をする」のが有効との情報があった。どうやら犬は「相手にされないとつまらない、やっても意味がない」と思うらしい(「やめなさい~~っ!!」などとギャーギャー騒ぎ立てると、犬は余計に興奮しておもしろがるらしい)。 さっそく試してみる事にする。犬が私の脚に狙いを定め、飛びついて腰を振り始めたと同時に、騒がず無言で、静かにクルリと背を向ける……「私がおまえのボスである」。そんな威厳を背中から醸し出し、無言の威嚇……しかし。やめてくれるかと思ったが、犬、いつまでも腰を振ったままである。やめる気配がない。犬に腰を振られるがままになりながら、ただひたすらに、静寂の時間が流れるだけ……。「何やってんの?」夫が我々の様子を、怪訝な顔で見つめていた。当然である。 その後、私はネットで、とある犬を飼ってる人のブログに行きつき、そこで「飼い主自らが、犬にマウントしたら、犬がやらなくなった」との情報を得た。「……なるほどな!!!」いつも犬にやられっぱなしじゃ、飼い主の威厳が損なわれたままである。「太郎!! ちょっとこっち来い!! 太郎!!」やおら野太い声で犬を呼びつけ、私はおもむろに、犬の背中に覆いかぶさった……そして激しく腰を動かし、己の股間を犬の背中に押し付けた。 「私がおまえのボスなんだ!! わかったか!? 私がおまえの!!」 「……何やってんの?」 ……夫が冷ややかな目で私を見ていた。バツの悪い顔をして犬から離れた私……その後、太郎のマウント癖がおさまったかと言えば、特に何も変わらず。俺のマウント、無惨。 12次のページ Amazon 『オンナノコウフクロン』 関連記事 「ブ男とは友達になる気はないんじゃないか」と表参道の人種を見ながら思った小型犬のキャピキャピ感、和犬や大型犬の絆感、犬選びに見る「女の本質」“オシャレ”をまとったエコ男子もどき&ほっこり女子にもの申す!女の数だけ「股間」がある——おばあさん産婦人科医の「女の股間と人生」正月帰省、夫の両親との「気の使い合い合戦」で渦巻いたドス黒いもの