人気クーポン店なのに、予約ガラガラ？　危険物件・足裏マッサージ店に潜入！

　紹介されていた施術の流れによると、まず漢方オイルを使用したリフレクソロジー4が0分となっていたが、お店ではグイと足を持たれて、いきなり角質取りからスタート。ヤスリらしきもので力まかせにゴシゴシ、ガシガシ。痛くすぐったい微妙な気分。なんでも、角質は約50％が老化して死んだ細胞。そのままにしておくと、いらなくなった細胞が剥がれ落ち、新たな細胞が生まれる「ターンオーバー」を遅らせ、血流を悪くしてしまうのだとか。結果、冷え性やむくみにもつながるという。また、角質を除去すると、疲れにくい足になり、体全体の新陳代謝もよくなるようだ。メニュー通り約15分の角質除去作業が、無言のまま黙々と完了すると、いよいよリフレクソロジーが始まった。

　このリフレクソロジーは「反射療法」とも呼ばれる、主に足の裏（手の平等を含む場合もある）の特定部位を押せば、体の特定部位に変化が起こる現象を活用し、疲労の改善などをはかる療法だ。日本では、足裏マッサージと一口に言っても、「英国式」と「台湾式」、台湾式に中国の伝統医学を組み込んだ「中国式」などがあり、施術方法に若干の違いがある。このお店は、「中国式」だという。

　なるほど、数年前台北に行った時に興味本位で受けた「台湾式」とは違い、激痛もなく、痛キモチいい刺激で癒やされる。そう、よく聞く「台湾式」は痛いタイプの施術であり、癒やされようと訪れるとひどい目に遭う。

　施術者の話によると、「中国デハ、コノマッサージ、スゴク有名。30分～1時間デ900円グライ。安イカラ、男ミンナ好キヨ！」とのこと。ちなみに、このお店は24時間営業ということあり、飲んだ後にサラリーマンの男性が立ち寄り、施術後朝までベッドを占拠していることも少なくないとか……。

　確かに「中国デ勉強シテキタヨ」というだけあって、朝までベッドで熟睡したくなるほど気持ちいい手技。足裏だけではなく、“第二の心臓”と呼ばれる、ふくらはぎの念入りマッサージは夢心地。ついウトウト感に襲われた時に、蒸しタオルで足全体を包まれて終了。店内の様子からは想像だにしなかった、至福の時間を堪能。しかも、恐る恐る足裏に触ると……「えっ！　ウソ！」と声が出てしまったほどのスベスベ感。ついさっきまでのガチガチ、カチカチの象足が、まるで子猫の肉球のような柔らかさになっていたのだ！

　そんなこんなで、ルンルン気分で服を着替えていると、施術者から「熱イノト、冷タイノ、ドッチイイ？」とアフターティーサービスを聞かれた。メニューに、「施術後は薫り高い中国茶で心身共にリラックス」とあったことを思い出し、「暖かいものを」とオーダー。そして、アフターティーを一口口に含んだのだが、それは中国茶ではなく、なんとなく麦茶風テイスト。「一体これは何茶？」と確認しようとしていると、次のお客様がやってきた。スタッフが1人ということもあり、施術が終わった筆者はスルーされ、結局、お茶を一気に飲み干してお店を後にした。最後の最後にケチをつけなければならないとは……。

　さらに驚いたことに、帰宅後、このお店のホームページを検索してみると、じぇじぇじぇじぇ！　なんと、写真上は超キレイなエステサロン風だったのだ。アフターティーも高級中国茶。本当はホコリ臭い部屋、湿っぽいパジャマ、麦茶風の安っぽいお茶なのに！　でも逆に、見た目や雰囲気がどんなに残念なお店でも、激安＆腕自慢の隠れた名店があるという希望にはなったかも。こういう体験ができるのも、クーポンの醍醐味なのだ。

クーポン満足度評価／★★★★☆（4）
リピーター思案評価／★★★★☆（4）
※ガシガシ、ゴワゴワがツルツルには驚き！　元は十分取れたと満足

吉原杏（よしわら・あんず）
大阪生まれ、大阪育ち。好きなモノは小銭。好きな場所はリサイクルショップに100円均一。美容・健康オタクとしてプチ整形、数々のダイエット法に挑戦したことも。数々の携帯小説家、『株一年生～ゼロからわかる株の教科書～』（オープンアップス）などのアプリ作家として活動。

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