仰天の大スクープから「オバマが宇宙人と極秘会談」まで! 玉石混交の米タブロイド紙
同紙が創刊されたのは1926年。大手アメリカン・メディア社が出版している。発行部数は減り続けており、現在は60万部ほど。その理由は、インターネットの大手ゴシップ・サイトが「ナショナル・エンクワイアラー」の記事を使って報道するためだとされている。
■「グローブ」
グロい写真やドロドロした人間関係を得意とする老舗タブロイド。スターの整形情報をいち早くキャッチしたり、離婚、親権・遺産をめぐるセレブの争い、セレブへのレイプ告発など下世話なネタが多く、アメリカ人の好奇心を満たしている。
同紙は、有名な事件の検死写真を極秘に入手し掲載することでも知られる。ファンクラブの元会長から銃殺された、人気歌手セレナの検死写真を掲載して「背後から撃たれた!」と記事にしたり、今なお未解決であるジョンベネ殺害事件のジョンベネ・ラムジーの検死写真を掲載して遺族を激怒させたりと、なにかと論議を醸している。
54年にモントリオールで「ミッドナイト」として創刊した同紙は、北米で絶大な人気を誇るタブロイドとして成長し、「ミッドナイト・グローブ」「グローブ」へと名を変えた。1999年、アメリカン・メディア社に買収された。
■「ニューヨーク・ポスト」
「ニューヨーク・ポスト」は、表紙のインパクトの強い見出しで有名な老舗タブロイド紙。イギリスで最も売れている「The Sun」のスタイルを参考にしている。
ショッキングなのは見出しだけでなく、波紋を呼ぶような写真も多い。昨年12月には、地下鉄に轢かれる寸前の男の写真を1面に掲載し、批判する声が巻き起こった。中国の胡錦濤前国家主席とブッシュ前大統領が会談したときは「ウォック(中華なべ)・ディス・ウェイ(Walk this wayにかけたもの)」というタイトルを付けたり、警官に射殺された猿をオバマ大統領になぞらえた風刺画を掲載するなど、人種差別だとして批判されることが少なくない。右寄りだとも言われている。
信ぴょう性は決して低くないが、今年4月のボストン・マラソン爆発事件では「死者12名、サウジアラビア国籍の男性が容疑者として拘束」とデカデカと報じ、「誤報にもほどがある」と批判された。その後も、事件とは無関係の男性2人の写真を「FBIが追っている男たち」と掲載し、2人から裁判を起こされている。
アメリカ建国の父の1人、アレクサンダー・ハミルトンが1801年に創刊。アメリカ最古の新聞という説もあるが、1933年からタブロイドとして発行されている。出版しているのは、世界のメディア王として知られるルパート・マードック率いるニューズ・コーポレーション。発行部数は約50万部。
■「スター」
パパラッチ写真が多い、セレブゴシップ満載のタブロイド。悪意で選んだと思われるセレブのイケてない顔を表紙にデカデカと載せ、衝撃的な見出しも付けている。