[連載]そうだソルティー京都、行こう

土方歳三手書き句集、『風光る』のコピーまで販売、キナ臭すぎる「新撰組記念館」

2013/07/30 19:00

 京都は、世界屈指の観光地。そして女の憧れの地である。美味いもん食って、寺社を見て、お洒落して、勉強する。何でもかんでも「京都でする」のが女の憧れなのだ。女性誌はこぞって京都特集を組み、ガイド本や京都観光エッセイがボロボロ出版されている。確かに京都には歴史がある。名産品がある。美味がある……そして誰も取り上げないけれど「しょっぱい京都」もある。

 しかし京都のほんとうの魅力は、こういうソルティーなところにあるのだ。上品ぶっている女性誌では取り上げないほんとうの京都の姿を、しっかり焼き付けて欲しい。そうだソルティー京都、行こう。

【第14回 新撰組記念館】

 好きなものにつけ込まれると、人は弱い。大好きなアイドルのためならいくらでも時間を使えてしまったり、ネットで好きなアイドルと知り合えたと思って大金をはたいてしまったり。他人から見たら「えー、なんで?」と思うような陳腐な嘘でも、本人にとってはわずかな望みの方にかけてしまいたくなるのである。「愛は盲目」なのだ。

 新撰組は、男子のみならず女子にも大人気のグループである。リアンじゃなくて、幕末の方。スポーツマンの集まりで、男ばっかりBLのにおい。アンニュイな結末もなんだかサナトリウムの香りだ。『風光る』(小学館)や『薄桜鬼~新選組奇譚~』が大ブレーク、それから『オトメン(乙男)』(白泉社)で人気を博した菅野文も『北走新選組』(同)なんて短編を描いている。壬生寺が、リアンあり『薄桜鬼』あり『銀魂』(集英社)ありの全方向に突っ走ってしまったのも、ファンたちの熱い思いがあってこそである。


 その新撰組の聖地の端っこに、「新撰組記念館」というのがある。修学旅行や新撰組を偲ぶ旅に出たファンたちは、間違いなく行ってみたい場所だろう。

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古い京都の町屋がそのまま記念館になっているようです
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(左)ちょっといやな予感のするお知らせが扉に (右)このあたりで入るかどうか迷い始めます。ミュージアム??
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旗にまで味があります
『新選組始末記―新選組三部作』