"噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第175回】

押尾学、刑務所から「自身」への手紙に宿ったあまりにも暗い心の闇

2013/05/14 21:00
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「女性自身」5月28日号(光文社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

第175回(5/10~14発売号より)

 安倍政権の右傾ぶりが世界に懸念されている中、飛び出したのが橋下発言だった。当時の状況下で慰安婦は必要だった、だって。どうかしている。男のため、お国のためには女性の人格や“性”が犠牲になることは当然――。それが橋下の本音なのだろう。7人の子どもを持つ橋下だが、娘にもそんな教育、主張をしているのかと思うとおぞましい。

1位「押尾学 本誌に届いた直筆手紙を全公開!! 『自分が心底憎いです…』独房400日の孤独」(「女性自身」5月28日号)
2位「泉ピン子 恩師・牧伸二さん妻が語った『死後も弔電すらありません…』」(「女性自身」5月28日号)
次点「泉ピン子 死してなお師匠牧伸二さんを『許さない!』(「女性セブン」5月23日号)
3位「水谷豊 娘・趣里 『ドタキャン事件』で同棲解消していた!」(「女性セブン」5月23日号)

 昨年3月に収監されて以降、その動向が伝えられることがなかった押尾学だが、今週の「自身」に“押尾学からの手紙”が掲載された。「自身」が送った手紙による文書取材に応じたものだが、実に興味深い。


 まずは1日のスケジュールや独房の様子を聞く「自身」に対し、押尾は「古くて臭い」「畳もボロボロ」「虫が一杯」「汚い」などネガティブな言葉を羅列する。食事も「美味しくない」「量が少ない」、「栄養不足」など、短いセンテンスで淡々とそっけない。しかも全然反省はしていないようだ。「自由を奪われ、懲らしめられながら毎日粗探しをされる」と自分の境遇を嘆くような記述も多い。刑務所はそういうところなのだが、押尾はまったく納得していない様が手に取るようにわかる。

 そして押尾の言葉はなぜか読む者に伝わらない。驚くほど心に響かないのだ。通常、刑務所からの手紙は強烈なことが多い。長文で冤罪だと主張するもの、強烈に反省している自分を誇示するもの、自分の不遇を大いに嘆くもの、陥れられたと憎むもの、家族を心配するもの――。不用意に触ると、読んだ者の心境を変化させてしまうものさえある。押尾の手紙は処遇や環境に対し不満タラタラなのがよくわかる程度で、その心からの叫びは伝わらない。

『実録!女子刑務所のヒミツ―出所したばかりの元女囚が明かす! 』