コラム
[連載]安彦麻理絵のブスと女と人生と

「子どものための料理」ではない、己のエゴのための「快楽追求型メニュー」とは

2013/04/21 21:00
(C)安彦麻理絵

 ……どヒマこいてらっしゃる女性の皆さんへ。

 よかったら、財布を握ってスーパーへ買い物に行きませんか? そこで、鶏肉を買ってください。鶏モモとかムネとか色々ありますが、モモがいいかもしれません。でもまあ、それはお好みで。骨付きをしゃぶりたかったら、それもアリです。量は、ガッツリいっちゃってください。「からあげ用」の最初から切り分けられてるやつ、あれ2パックでも私は足りなかったくらいです。ていうか、熱を通すと肉は縮んで小さくなっちゃいますから、躊躇せず、ガッツリした量をスーパーのカゴにぶっ込んで下さい。大体4人分くらいとか。それから、卵としょうが、ニンニクもお願いします。あとは、酢。普通の酢と、バルサミコ酢。それらもカゴに入れて下さい……バルサミコ酢。今まで一度も買った事がないという方も、いらっしゃるかもしれませんよね、バルサミコ酢。「こんなもの買ったって、余らせるだけなんじゃないの?」なんてブツクサ言わずに買うんです。絶対、買ってソンはありませんから。それから、ビールとかワインとか、自分の好きな酒。絶対、晩酌したくなるはずですから是非買って下さい。

 さて。家に返ってきたら、まずゆで卵を作って下さい。

 量はあなたの食べたいだけ、お好きなだけ。ちなみに、ゆで卵好きの私は、とりあえず3個ゆでましたが、それじゃ全然足りませんでした。6個くらい入れりゃあよかったと後悔しました。で、鍋で卵をゆでてる間に、その隣で鶏肉をぶった切って下さい。あまり小さくない方がいいかと思います。あ、鶏にくっついてる「メチョメチョした黄色い脂肪」は、包丁で取り除いた方がいいですよね。まぁ、あんまり神経質になることもないとは思いますが。

 そんなわけで。鍋の中に調味料を入れます。鍋はデカい方がいいかと思います。そこに、普通の酢1/2カップ、バルサミコ酢1/2カップ、醤油1/2カップ、水1/2カップ、つぶしたニンニク1片、スライスしたしょうが1片、砂糖大さじ1くらいを投入。バルサミコ酢に甘みがあるので砂糖の量はこのくらいでいいかと思うのですが、そこはお好みで増やすなりなんなりしていただければ。多分、バルサミコ酢の色にギョっとするはずです……こんなものをドボドボと……しかも醤油も入ってますから、鍋の中、真っ黒。「これ、ホントに大丈夫なの……?」と、一瞬不安になるかもしれませんが……不安は続きます。なにしろ、この煮汁に火を通すと、部屋中が激しい「酢臭」に包まれるからです。換気扇を回して、窓は開け放った方が無難です。

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