[連載]安彦麻理絵のブスと女と人生と

「やりたい事やってから生む」では遅すぎる! 高齢出産は育児もリスキー

2012/09/02 21:00
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(C)安彦麻理絵

 9月になってしまった!! どうしよう!! ブス本エッセイの原稿が、まだまだ全然できてない。ホントにどうしよう、ずっと机に向かってるのだが、まだ先がちっとも見えない……。毎日毎日、日々、ブスの事ばかり考えて、ブスブスブスブス、パソコンのキーボード叩いてるもんだから、気がつけば自分自身も、相当なドブスになっていた。ここ何日か顔洗ってないし、歯も磨いてない。まずいだろう、これじゃ。しかも今、パンツを履くのも面倒で、ノーパンでスカートを履いている始末。これでは「薄汚れた中年の変態女」である。

 ここ最近、とにかく、1日があっという間に終わってしまう。子どもらを保育園に預けたと思ったら、あっという間に「回収」に行かなきゃならない時間になっている。ギャアギャアうるさい3匹を、メシ食わせて風呂いれて、そして布団に叩き込んで、眠りの世界にぶち込むまでの時間といったらもう……これって人生の修行だよなって、つくづく思う。とにかくもう、毎日、体力が追いつかない状態。それで最近、イラストレーターの腹肉ツヤ子さんに強力におススメされて、「やずやの香酢」なんて飲み始めた。なんでも腹肉さんは、もうかれこれ7年も飲み続けてるらしい。疲労回復、美容と健康に絶大な効果があるとのこと。確かに腹肉さんは、名前の通り、ものすごくお肌がツヤツヤである。そして「おんなのブストーク」も冴えまくりで、いつお目にかかっても、彼女自身の描く女の子のように、キャピっと可愛らしいのであった。……ああ、やずやが、こんな私を救ってくれるといいのだが……。

 ところで最近「高齢出産のリスク」が、世間で話題になっている。「40代以降の出産は、ダウン症の子どもを生む確立が一気に跳ね上がる」という事実は、相当ショッキングである。そのせいで「子どもはやっぱり、若いうちに生んどかないとダメなの!?」と、色々考え込んでる女性も多いのではないだろうか。金銭的な問題、仕事の都合、体調などの理由で、生みたいけど今は生めない、という人も多いだろうし。中には「そもそも相手がいないのよ!!!」と、キレ気味になってる女性もいるだろう。

 ……まあ、そういう事情を踏まえつつ、わたくし個人の意見を言わせて頂きますと……確かにリスクの事を考えたら、出産は若いうちの方がいいのだろう。しかし。それとはまた別な理由で、私は「可能であれば、若いうちの出産」をお勧めする。というのもやはり、ババアになってからの育児はキツい。もう、相当キツいのだ。子どもの人数にもよるのだろうけど、育児ってやつは、まったくストレス過多になるし、体力の消耗は激しいし、だからやっぱり、ババアよりも若い方がうってつけなのだ。なにしろもう、疲れきってイライラが爆発して、家庭崩壊寸前なんて事が、うちではよくある。

 「……あと5歳若かったら!」と、本気で考えて、マジ泣きする時もあるくらいだ。「やりたい事があるから、子どもは欲しいけど、今は生みたくない」という人は、多分、「やりたい事をやってから、その後生む」という気持ちでいるんじゃないだろうか。でも、それでは遅すぎる。私のようになりたくなければ、今すぐにでもササッと生んで、そして、めんどくさい育児期間(だいたい小学校に上がるくらいまで)を一気にガ~っと終わらせて、それからゆっくりやりたい事に取り組んでも遅くはないと思う(まあ、やりたい事の種類にもよるが)。保育園に預ければ、育児しながら多少はやれない事もないし。とにかく、体が元気なうちに、チビの育児を済ませておいた方が、もう、絶対楽!! ほんとに、私みたいな年齢(43歳)の女が1歳と2歳と4歳の世話なんて……ダンナと2人がかりでやっても、それでもヘバりまくってる有様である。そして時には、あまりにも疲れてしまい、放心状態で「アハハ……アハ……」と、頭のおかしい人みたいに笑ってしまう時もある。

 こんな「ひよこクラブ」や「ニナーズ」じゃお目にかかれないような実話を耳にして「……なんだか子ども生む気がなくなってきた」という人がいたらすみません、いや、いいですよ、子ども(全然説得力ないが)。子どもが出来たら、あきらめなきゃいけない事がいっぱいありそう、と考えてしまう人もいるかもしれないけど、心配無用だ。私のように、小さい子どもが3人いても、パンツも履かずに、頭をバリバリ掻きながらブス原稿と格闘する人間もいる。案外、やりたい事は、やる気があれば、やれるのだ。


 とはいえ……今、鏡を見たら、私の目、死んでた。……疲れた。

最終更新:2019/05/21 16:27
『だから女はめんどくさい』
わかっちゃいるんですけど、ねぇ……