[TVツッコミ道場]

オネエの歴史からカミングアウト法まで! 日曜のジャニーズ番組で「オネエ特集」

2013/03/19 11:45
『スクール革命!』(日本テレビ系)
公式サイトより

 今回ツッコませていただくのは、IKKO、KABA.ちゃん、おぎやはぎ・小木博明、バナナマン・日村勇紀、米良美一が出演した『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の「いい旅オネエ気分 春らんまん房総半島の旅!」(3月14日放送分)と、クリス松村とKABA.ちゃんが出演した『スクール革命』(日本テレビ系、3月10日放送分)。

 同じオネエネタでも、これほどアプローチが違うのかと感心してしまう好対照な2番組だった。

 まず「いい旅オネエ気分」の方は、観光スポットで食べ歩きなどをする内容だったが、不思議なことに、オネエ感はほぼゼロ! 途中からは単なるオッサン同士の旅のようでもあり、女装したとんねるずが好きな友達を誘って旅行したら、たまたまオネエばかりが集まってしまっただけのようにも見えた。実にナチュラルな友達同士のプライベート旅行である。

 一方、『スクール革命!』の方は、「オネエの歴史」から始まって、世界のオネエニュースを各種紹介したり、サンドウィッチマンが「ネクストブレークおネエ」を紹介したりと、異様なほどの気合の入り様である。しかも、番組冒頭で掲げたテーマは「男の娘(おとこのこ)」=「男性でありながら女性にしか見えない容姿と内面を持つ者」。ご丁寧に「おネエ」と説明しながらも、講師は先述の通り、クリスとKABA.ちゃんなのだから、出発点から大きく間違っている。内容を簡単にご紹介したい。

■「オネエの歴史」、「第一次ブーム」は美川憲一のオネエになり始めの頃(1972年『NHK紅白歌合戦』に、淡いピンクの衣装+オネエっぽいマイクの持ち方で登場)や、カルーセル麻紀の「芸能人初、女性になる手術をした」(73年)こと。ピーターや美輪明宏は入らないのかという疑問はさておき、「青春の貴公子」をキャッチコピーとして世に出た美川憲一の「端境期」を見るのは、ちょっと貴重な気がする。ちなみに、「第二次ブーム」では『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)からブレイクした日出郎が、「第三次ブーム」ではIKKOさん(2007年「どんだけぇ~」がオネエ初流行語大賞トップ10入り)、はるな愛(09年ミス・インターナショナル・クイーンで日本人初グランプリ受賞)、マツコ・デラックスやミッツ・マングローブ(11年「女装家」オネエ登場)が挙げられた。

■はるな愛の「エアあやや」は、ポリープの手術で声を出せない時に生まれたものという豆知識も説明。


■クリス松村がオネエに目覚めたのは、通学電車の中で、「満員電車で押し潰されそうになる自分をサラリーマンたちが囲み、守ってくれる姿にキュンとした」ことというエピソードも。さらに驚いたのは、KABA.ちゃん個人の歴史において、ある人物が深く関わっていることだった。その人物は、タモリだ。

■96年にdosでデビューした当時、しゃべるとオネエであることがバレるので「しゃべるな」と関係者に言われていた。オネエ言葉の封印ストレスで高熱も出したが、そんな中、唯一気づいていたのがタモリ。『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)出演の際、何かに気づき、しゃべらせようとちょいちょい話題を振ってきた。

■KABA.ちゃんが突然、オネエのカミングアウトをしてしまったのは、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の「テレフォンショッキング」出演時。

 そもそも同番組が視聴率を稼いでいるテーマは「実用系情報」であり、日曜昼になぜそこまでオネエ情報を掘り下げたかったのかはわからないが、とりあえずこれでもかというほど情熱的に豊富な情報量を盛り込んでいた。ちなみに、多数のオネエ情報の中で一番印象に残ったのは「タモリの嗅覚の鋭さ」だった……。
(田幸和歌子)

最終更新:2013/04/17 16:32
『愛のオネエ飯―男をトリコにする!』
ジャニーさんに何か言いたいことでもございまして?