サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビューキラキラじゃなく、オーガニックネーム カルチャー [女性誌速攻レビュー]「Neem」vol.5 キラキラじゃない! ナチュラル系ママ雑誌「Neem」に見る「オーガニックネーム」という発芽 2012/11/02 16:00 女性誌速攻レビューNeem 「Neem」vol.5(徳間書店) ポカリスエットとか三井のリハウスとか、王道美少女CM枠に出てたのにいつの間にかナチュラリストになっていた一色紗英が毎号表紙を務める、ナチュラルなポリシーを貫くママのための雑誌「Neem」(徳間書店)。この雑誌のママモデルは、かつて“渋谷系”と呼ばれたカルチャーに属していた人たち。彼女たちは今、一斉にナチュラル志向をひた走っています。同時期にモデルだった神田うのや梅宮アンナが現在漂わせまくっているアーバンなアブラギッシュ感はゼロ! 「Neem」では、“質素な生活がイチバンだよね”感を全面に押し出しつつ、21万円のベビーカーや3万円の子供服が普通に紹介されてたり、拠点は中目黒やカリフォルニアだし、“欲はないけど金はあるのでいいものを買う”という、人として最高のサイクルを大爆発させてます。もともとの育ちが違うからマネのしようがねえわ! そんな「Neem」、生後7カ月の女児をもつママライターが読んでいきます! <トピック> ◎私らしくママライフを送るための「マイ・ルール」 ◎もっと朝活! 太陽のリズムで生きる ◎おしゃれママSNAP ■ユザワヤだったら5,000円もしなさそう 「マイ・ルール」特集では、「Neem」のママモデルや読者ママたちが「生活の中で大切にしていることやモノ」を大公開。超気になりますよね! え? ならない? 彼女たちのマイ・ルールは、「キャンドルを灯す」とか! 「バレエのレッスンをできるだけ(する)」とか! 「台所道具は自然素材のもの(を使う)」とか! 「週1のサイクリングランチ(超絶イケメンの夫と自転車に乗ってる写真付き)」とか! だそうです! ハイ、素敵素敵ー! あなたの「マイ・ルール」はなんですか? 私はどう考えても「肉の脂身に固執しない」しか思い当たりませんでした。豚肉の脂身や鳥皮が大人になっても大好きで、スーパーで買う時に脂身多めのを選んじゃうんですよ。積んであるパックのわざわざ下のものを掘り返したりとか、人とご飯食べてても脂身の多いやつが自分の口に入るかどうかを気にして話に集中できなかったり、体にも美容にも世間体にもよくないからやめたいんですね。一色紗英はもちろん好きじゃないんでしょうね、脂身。 この特集では、渋谷系の殿堂カヒミ・カリィも登場し、こだわりの「マイ・ルール」ファッションを披露。「私にとってファッションはお料理でいうスパイスのようなもの」だそうで、チェック柄の超ロングな巨大な布でできたポンチョのようなものを着用してるのですが、しゃがんで写っているので裾が床にビヤーッと広がってて、確かにスパイシーです! こんなの着てる人、見たことないもん! 直径60センチくらいの半円が床に作られちゃってるけど、いいのかな? 雨の日とかこんなの外に着てったらスパイスどころの騒ぎじゃなさそうだけど、とにかくカヒミが着ているのは「マキシマント」と言って「3万4,650円」です。高けぇ~! 布高けぇ~! さらにカヒミは「マイ・ルール」を語ります。「私が幼い頃に亡くなった母が残してくれたアクセサリーがいくつかあるので、娘にルーツを感じさせるものとして渡したい」。育ちがいい人は、家に代々受け継がれる逸品がありますよね。結婚する時に渡されたりするんですよね。しかもそれはおばあちゃんがサラッと買ったデザイン性が高くて流行にとらわれない、ハイセンスなアクセサリーだったりするんでしょ? それをサラッと渡されるんでしょ? 超うらやま! 私も自分の代からは受け継ぎグッズを用意したいけど、自分のセンスに自信がなさすぎるのと、祖先にいいとこ見せたい欲が絡まりあって、結局よくある無難な「娘の誕生日ごとにパールを一粒ずつ」買って25年くらいかけてやっとできたネックレス(法事の時だけ重宝)を恩着せがましく渡すのが精一杯です! ■覚えづらいのも特徴 「Neem」に出てくるモデルたちの子どもって、名前がすごいんですよ。「和(にき)」ちゃんに「由新(ゆに)」ちゃん、「菜萌(なも)」ちゃんに「深良(みら)」ちゃん……。「翔」とか「翼」とか「輝」とかキラキラした漢字は入ってなくて、「樹莉愛(じゅりあ)」などの英語で読みやすいグローバルネームでもなく、まったく見たことがない新しい読み方の名前が多いんです。“日本も海外も意識しすぎてない、私たちが住んでいるのは、地球だから”みたいな、“どのジャンルに属さない、ジャンルという概念を飛び越えて、大地と一体化します”な感じ。そんなナチュラルでフリーダムな思いが名前から漂ってくるんですけど、結局そういう人も結構いるから、新たに「オーガニックネーム」というジャンルができちゃいそうです。誰ともかぶらない名前はもう、「光宙(ぴかちゅう)」以外に無いんじゃないですか!? そんなノージャンルを貫く「Neem」も、最近どの育児雑誌も取り上げている「朝活」(早寝早起きの生活をすること)を特集。1ページ目の見開きに「朝活はこんなにいい!」ということが書いてあって、「Neem」まで言ってんならやってみっかな……と次のページをめくると「代官山で早朝ランニングをやっているママ団体」の紹介が。まさかのローカル情報! 疎外感! ほかにも、濃いピンクのバミューダパンツを履きこなすオシャレ髭のイケメン旦那と早朝の散歩を披露するママは、散歩以外はアロマキャンドルを炊いて心をほぐしたり、スイスの絵本画家の絵の刺繍をしたりするんですって! ハッ(鼻息噴射)! 私なら折角早起きしても、録っておいた下世話な深夜番組をガリガリ君食べながら見ちゃったりしそうなんですけど。 ■オフの日のフミヤ系 「おしゃれSNAP」特集では、今年の夏に開催された「Neem」のイベントに来た読者ファミリーを激写。旦那さんはみんな首もとが広く開いてデコルテ部分が見えるTシャツを着てゆるゆるナチュラル系。代官山でいっぱい見る、藤井フミヤ系のパパです。ちなみに代官山でよく見るパパの系統は、フミヤのほかはキャンドル・ジュン系とデューク更家(ちっちゃくて薄っぺたい帽子着用)系が主ですね。それにしても「Neem」のパパたち、全員靴下穿いてないんですけど、どうしたんでしょうか。オシャレなんでしょうか。 とにかく「Neem」に登場するママたちは、木のまな板みたいな板の上に硬そうなパンを置いて食べたり、ガラス瓶が大好きで、なんでも漬けたり「酵素」を作ったりします。“手間のかかることを、ゆっくりと”みたいな? でも、資本主義の俗世界に嫌気が差して、沖縄で超エコロジーなふんどし生活をしている益戸育江(旧芸名・高樹沙耶、中西圭三の元妻)のホンモノ感にはまだ届かない印象。テレビで「ふんどしは体にいい」とダルマ柄の布で作ったふんどしを披露してた益戸さんは、いつになったら「Neem」に出てくるんでしょうか。待ち遠しいです! (田房永子) 最終更新:2012/11/02 16:49 Amazon 『Neem vol.5』 どつよさんのシャーマニッポンと相性良さそう! 関連記事 “愛が循環する”感じが味わえる育児雑誌「Neem」、清々しさが逆にツライ母親の自己肯定が染み出る育児誌「Neem」にナチュラル系の神UAが登場真面目・無難も行き過ぎた!? 読者の子育て相談に「ひよこクラブ」が迷回答ワーキングマザーのバイブル「bizmom」、精神的“ハレ”を求め続ける罪「のびのび子育てで東大に」、“必死”を“余裕”で隠す「edu」母 次の記事 ハロウィーンに隠された愛憎劇の数々 >