サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー神々しいほどの爽やかさを持つ「Neem」 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「Neem」vol.4 “愛が循環する”感じが味わえる育児雑誌「Neem」、清々しさが逆にツライ 2012/08/13 21:00 女性誌速攻レビューNeem 「Neem」vol.4(徳間書店) 登場するママモデルたちの精神的自立っぷりがハンパない育児雑誌「Neem」(徳間書店)。育児雑誌によくある「こんな時、どうしたらいいの?」というQ&Aは一切ありません。すべての答えは私の中にある。自分を信じて。ビリーブ・イン・マイセルフなんです。だからファッションも独特。毎号「Neem」の表紙を務める一色紗英、今回は普通の服の50倍くらいの量の布で作ったみたいなダブダブとした服を着ています。ご祝儀袋用水引の巨大バージョンみたいなヒモでウエスト部分をしばっていて、もう何がなんだかわかりません。パンピー(一般ピープル)が着たらギリシャ神話のコスプレになるだけ! そんな徹底的に読者に媚びないスタイルを貫く「Neem」。生後5カ月の女児を持つパンピーライターが読んでいきます! <トピック> ◎ママが元気でなくっちゃね! ◎夫婦のつながりが強ければ、ママは元気! ◎いつも傍で支え合う夫婦のカタチ ■ママだって、溜まっちゃうんだよぉ! 「ママが元気でなくっちゃね!」特集では、一色紗英とモデルの米田有希が「ママの笑顔を作るもの」について対談。「大好きなお花は常に暮らしの中にある」ということで、2人とも花を部屋に飾るのは欠かさないとのこと。確かに花って、見てると元気が出てきますよね。赤ちゃんとの生活が始まってみて私が思うのは、育児していると自分自身の欲求を無意識に抑え込むことが多くなるんだなってこと。赤ちゃんが泣いたら眠くても自動的に起きることができたり、自分の食事を中断するのが苦じゃなかったり。それらが知らないうちに溜まっていってるので、意識的に排出することが「元気になる」ために大事だなって思います。 問題なのは「寝てない」「食べられない」は家族やサポートの人に言いやすいけど、「性的な欲求の鬱屈」は自覚すらしにくいということ。「赤ちゃんがいると、そういう気が起きなくなる」とよく聞くけど、私は違う。体が勝手にムラムラを制御している感じ。だから「私なんでこんなに落ち着きがないんだろう」ということに気付くまでに時間がかかるんですね。そうだ、自己処理してないからだ! って。でも、赤ちゃんがいるとやっぱり気が引ける。自己処理問題、みんなどうしているんだろう……と思いながら読んでいると、米田有希が「私にとっては、ひとりになる時間って大切」とドキっとする発言を投下。「子どもとずっと対峙していると、ときに少し疲れてしまうこともあるから、リフレッシュする時間も必要なんだよね。彼らが寝たあとに刺繍するのはいい気分転換」。……刺繍て! 上品! 続いて一色紗英が「それが私にとっては例えばバレエや教会の音色だったりする」と崇高なコメント。2人が性的処理トークなんかするハズないのに、普通に求めていた自分の溜まり具合を自覚できました。今なら教会の音色でイッちゃえそうです。 さらに一色紗英は、「(いやなことがあった時は)それを赦しに変える。自分がそういう姿勢でいると、自然と人が歩み寄ってきてくれて、結果すごく愛が循環する」とのこと。わかりました、夜の誘いを断わりやがった夫を赦すことから始めてみます! ■渡辺徹・榊原郁恵はランクインならず! 「Neem」に登場する「夫」たちはだいたい、藤井フミヤがかけてるような、代官山の店舗の棚に20センチ間隔でポツ、ポツ、と陳列されてる系の太い黒ブチの眼鏡をかけています。そして丈の短いズボンを履いてます。足元は素足に靴。 「夫婦のつながりが強ければ、ママは元気!」特集では、そんなオシャレ夫を持つNeem*mom(読者ママ)たちの夫婦関係についてをアンケート調査。「夫のことを愛していますか?」の問いに「はい」という答えがなんと100%! この時点でNeem*momが「発言小町」を見てないことは確定ですよね。「夫のどんなところが好きですか?」は1位が「やさしいところ」なんですが、「顔、背、鼻筋などの容姿への評価も」あったということで驚きました。Neem*momは夫という「人」そのものを評価するんですね! ママ向け雑誌によくある「友人家族とのBBQで率先して肉を焼く夫に、ママ友がウットリ。私はニンマリ」とか「育児に積極的でママ友に羨ましがられる私の夫。正直、自慢です♪」とか、「周りの女からの評価」を重要視する価値観じゃないんですよ! だからなのか「ケンカの頻度」もNeem*momは、「週に1回」が45%で、「ほとんどしない」が40%、あとの15%は「半年1回」と「年1回」! きっと日本の大多数の夫婦とは、ケンカとセックスの割合が逆なんでしょうね。そんなNeem*momが思う「理想の夫婦」は1位が木梨憲武・安田成美、2位は名倉潤・渡辺満里奈。確かにどっちも定期的にやってそうな夫婦! ■八嶋智人もやってます 「いつも傍で支え合う夫婦のカタチ」では俳優の八嶋智人と女優の宮下今日子が夫婦対談。「彼女と出会っていない自分は想像できないほど、影響は120%受けてます」とか「大声を出さなければ、ののしりあうようなケンカにはならないんですよね。そうやって、ふたりの間で共通の価値観を新たに育てていくことが大事なのかなって」とか、妻とマトモに話ができる夫という感じの八嶋。こんな風に精神論みたいな会話が成立する夫婦は少ないですよね。2人の時は話せても、誰かに聞かれて本人の前で話せるって結構すごい気がします。でも「Neem」に出てくる夫婦はみんなこんな感じなんですよ……。 今日子さんも「“夫婦はこうあるべき”って決めないほうがいいなって思って。今日はこういう感じ、明日はこう、ってやっていったことが、結果的にあと何十年続いていけばいい」とか言っちゃって、どんだけ素敵な夫婦なの!? 最終的に「うちの息子はとにかくいいやつなんです」「ほんと、いいやつなんだよねー」と2人で息子いいやつエピソード(ほんとにいいやつなんだこれが……)でフィニッシュ! 一色紗英の言葉を借りれば、これこそ「愛が循環」してる状態ですよ! 出てくる人たちがみんなジブリ映画の登場人物みたいな育児雑誌「Neem」。装ってるんじゃなくてガチなところがスゴイ。粗を探そうにも出てこない! 今月号も完全に心が洗われましたよ。でもなぜだろう、夫にパーフェクトなイタリアンファッションを着せてイケダン自慢するママの悦楽の表情とか、質問掲示板に夫への恨みつらみを書いてるママたちの卑屈さがなつかしい。「Neem」がオーガニック料理なら、イケダン自慢雑誌は二郎系ラーメン。「Neem」を読んだ後は、猛烈にしょっぱいモノが食べたくなります! (田房永子) 最終更新:2012/08/13 21:00 Amazon 「Neem vol.4」 でも一色紗英って強欲な顔しているよね~? 関連記事 母親の自己肯定が染み出る育児誌「Neem」にナチュラル系の神UAが登場年齢別スナップでわかった! 25歳以下に「nina’s」カルチャーは存在しない百戦錬磨の「ひよこクラブ」でさえ、“ながら授乳”は「赤ちゃんが寂しいかも」「私が旦那を磨いた」という「VERY」の矜持を、ばっさり切り捨てた小島慶子トンチ回答で何の解決にもならない、「ひよこクラブ」のセックスレス特集 次の記事 Sexy Zone、ダチョウ倶楽部に熱視線 >