サイゾーウーマンコラム自主規制の波をかい潜る、”イイ話”という免罪符を手にしたテレビ業界 コラム 今井舞の「週刊ヒトコト斬り」 自主規制の波をかい潜る、”イイ話”という免罪符を手にしたテレビ業界 2010/10/15 16:00 週刊ヒトコト斬り 『ザ!世界仰天ニュース』公式サイト ――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる! ◎世界一の巨乳はもう出番なし? 「笑えるイイ話特集」みたいな感じのTBS系『ジュニアラマタの世界ウィット遺産』で、「大好きなジェームス・ディーンが死んで意気消沈の小森のおばちゃまが、アメリカに彼の墓参りに行ったら、元気になって生理がまた来た」という話をしていた。苦笑でも失笑でもなく、真正面からこれを「イイ話」として捉え、スタジオの皆でうなずき合ってた。『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)に出てた人もすごかったしなぁ。映画『ハンニバル』に登場する、顔の肉が犬に食われてなくなってる大富豪にそっくりな人が出てた。裏では『奇跡のダイエット190kgから激変!ミラクルチェンジSP』(TBS系)って番組で、巨漢の女性が、激ヤセのせいで余った腹の皮振り回してたしな。世も末か。コントのパイ投げとかは神経質に自主規制するくせに、こういうのはどんどんダダ漏れ。「人生に感動」ってことで括ってさえいれば、どんな「見世物」もセーフになってる。「びっくり人間大集合」の魂は永遠に死なずか。しかし確実に、往年の「びっくり人間大集合」の頃より「びっくり」のレベルはアップしているわけである。まだまだ上がり続けるだろう。どっかの子供がひきつけ起こして倒れるまで。 ◎お涙頂戴にならないワケ 盛り上がったなー、チリの落盤事故救出劇。『笑っていいとも!』(フジテレビ系)まで本放送中断して、中継してた。出て来た鉱員は、みんな思ったより元気でこざっぱりしてて、何となく映画『カプリコン・1』を思い出してしまった。ま、それはさておき。商社の友人は、ワインの件でチリの会社に問い合わせても、先方が誰も電話に出なくて困っていると言っていた。きっと絵に描いたようなお祭り騒ぎになってんだろな。各マスコミとも、この奇跡の救出が起こりえたわけをいろいろ考察してたが、全ては、命からがら出て来て即「チーチーチー、リーリーリー、チリ万歳!」って大騒ぎできるメンタリティ、つまり「ラテン系」ってことに尽きると思うんだが。……とりあえず、お疲れさんでした。 ◎野沢直子も忘れないで 自称「青田典子の後釜」として、隙間にグイグイ入ろうとしている岡本夏生。しかし、キャラとして、青田典子とはかぶってないと思うんだが。どちらかというと、松野明美とかぶってると思う。ま、青田典子にしろ松野明美にしろ、後釜は要らない。 今井舞(いまい・まい) 週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。 【バックナンバー】 ・誰も真実を望んでいない、「ベスト・ジーニスト賞」という様式美 ・キング・カズの偉業をどうしても真顔で受け止められないワケ ・黒木瞳と松嶋菜々子の間をいく、吉瀬美智子にこそ相応しいあの役柄 最終更新:2019/05/22 19:35 次の記事 保湿重視? カバー力重視? 秋の新作ファンデ品評会! >