サイゾーウーマンカルチャースポット塀を越えられず、「痛~い」の声が響き渡る「全日本忍者選手権大会」 カルチャー [不定期連載]同じアホなら、見るだけで。 塀を越えられず、「痛~い」の声が響き渡る「全日本忍者選手権大会」 2010/10/14 11:45 スポット同じアホなら、見るだけで。 それにしてもこの忍者たちの衣装、赤だの緑だのピンクだのとカラフルだ。参加忍者はくの一3:忍者7くらいの割合。 ――「踊る阿呆に見る阿呆、同じアホなら踊らにゃ損々」と言うけれど、どうせ同じなら「見るだけ」の方がだんぜん楽でしょ! ということで、日本中、いえ世界中の「変な大会」をナナメ切り。参加者、観客まで余すことなくウォッチング。 スポーツの秋である。野球はそろそろクライマックス、各種実業団もスタートし、全国大会なんかもあちこちで開催される季節である。そんな10月10日は体育の日。この、文系人間に対する挑戦状のような祝日に、盛大に行われた全日本大会があった。「全日本忍者選手権大会」である。 これは一体、どんな大会なのだろう。忍者と言えば、浸透戦術や逃走術などの忍術を極めた達人のことだ。もしかしたら、屋根まで飛び上がるバッタのような跳躍とか、一瞬にして消え去る術とか、大技が次々と見られるのかもしれない。「全日本」大会であるからして、地区大会を勝ち上がってきた大物忍者たちが集合するのかもしれない。めくるめく技の数々が見られるのではないか。行ってみるしか手はないだろう。 当日、滋賀県甲賀市(ちなみに読みは「こうが」ではなく「こうか」だそうで)にある、甲賀の里忍術村へ向かった。 村にほど近い道路には、「忍者飛び出し注意」の看板が立っている。忍者だったら飛び出してきたって勝手に避けてくれそうなので、ドライバーに対する「びっくりしないでね」的な注意の看板なのだろう。そして「甲賀警察署」の看板。忍者の住む街の警察署である……夢がふくらむなあ。署長の正体は誰も知らないに違いない。 忍術村に到着すると、すでに100名もの忍者が、ゼッケンを胸につけてたむろしている。よく考えてみると、ナマ忍者を見たのは初めて。ゼッケン付きは映像でも見たことがない。否が応にもテンションが上がってしまう。いったいどんな技を見せてくれるというのか。 競技は障害物競走と、バランス競技、手裏剣投げ、それから水上競技。大会主催者が「昨日までの雨で足元がかなり滑りやすくなっているため、ご注意ください」とアナウンス。忍者たちに対し「足元注意」などとレベルの低いことを言うわけがないから、これは観客に対して言っているのだろう、と思うことにする。 そして忍者たちがスタート地点に集合し、まずは障害物競走が始まった。 5名ずつスタートし、ぞろぞろと3mくらいの城壁を登ってくるくの一たち。 城壁を登ったら、次は塀飛び。「飛ぶ」って言うより「よじ登る」。ここでこの塀が越えられず、半数近くのくの一がタイムオーバーで失格に。このあたりで、この大会がしょっぱい大会であることが判明する。 忍者の里らしく、雨が降ったり止んだりの天気。足元はかなりぬかるんで滑りやすい。元気に飛び降りたくの一が足を滑らせ「痛ーい!」と叫ぶ。その声に怯えたのか、その後くの一たちのパフォーマンスがかなり地味~な感じに。先ほどのアナウンス、やはり忍者に対してだった! 陸上競技とバランス競技、手裏剣を終えたら今度は水上競技。池の上につなげられた板の上を、走って対岸へ渡る。このあたりになると忍者選手権大会というよりは、『風雲!たけし城』(TBS系)を見ている気分に。参加しているお父さん忍者は、競技前は子どもたちに期待のまなざしでプレッシャーを受け、競技後は明らかな落胆のまなざしを受けるという光景があちこちで勃発。それにしても、通常アスレチック的な家族イベントって子どもが主役のはずだけど、ここでは子どもは応援するのみ。遊ぶのはお父さん忍者とお母さんくの一である。 最後は「水ぐも」。スタート地点で、2つのタイヤに足をつっこみ、座ってスタートの合図を待つくの一たちは、4人ズラリ並んでのM字開脚。これはぜひ「芸能人忍者大会」を開くべきである。しかも水着で。そしてワイプには「フィフティーン」を歌う西田ひかるを映すべきである。 優勝者、準優勝者には海外旅行が与えられた。意外と立派な商品である。しかしなぜ忍者大会という日本の伝統的技術(?)を競った商品が海外旅行……? 文化交流的な? こうして、怒濤の「全日本忍者選手権大会」は終了した。見終わったあと、観客として思うことは「来年は出ようかな……」である。「全日本」という割には公式HPで「参加者募集」を謳い、「忍者に憧れている人(自称忍者)」でもOKと書かれている。ということは、私でもOKってことか? しかも、くの一参加者30名ほどのうち、2名が海外旅行なのだから、15人に一人は旅行が当たるってことだ。宝くじよりよっぽどいい。 それにしても、「忍者」なのに「選手」権ってなんだよ……。ぜんぜん隠密感がない。タイトルからしてしょっぱさがありありだ。以後、スポーツ大会を観戦する際には、そのネーミングにも注意である。 和久井香菜子(わくい・かなこ) ライター・イラストレーター。少女向けのコラムやエッセイを得意とする一方で、ネットゲーム『養殖中華屋さん』の企画をはじめ、就職系やテニス雑誌、ビジネス本まで、幅広いジャンルで活躍中。 『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。 「ときめきのプロローグ」 来年、一緒に出る? 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・香炉がタバコで灰皿化!? お彼岸だから行っときたい、あの有名人の墓参り ・“斜陽産業・テレビ”を親子で学べる、夏のテレビ局イベントに潜入! ・BMI25以上のぽっちゃりさんが大集結! 「ぽメらにあん」で癒され体験 最終更新:2011/03/13 22:12 次の記事 「笑い」という推進力を持つ”ネオ少女漫画”『海月姫』 > Facebook Twitter プッシュ通知を受け取る クリックしてプッシュ通知を有効にする クリックしてプッシュ通知を停止する アクセスランキング カルチャー アラフォー婚活、最後に彼氏に料理したのって アラフォー婚活、海外旅行ばっか行ってる バチェラー・黄皓が結婚発 アラフォー婚活、45歳イケメンの残念点 アラフォー婚活、「結婚しよう!」26歳男子からプロポーズ AV男優・しみけんがスパッと解答 アラフォー婚活「とりあえずホテルへ行こう」商社マン しいたけ占い人気の裏側 “行ってはいけない”縁切り神社 ヨドバシ販売員が教える「最強の双眼鏡」 アラフォー婚活、30歳外資系男子から温泉の誘い アラフォー婚活、3回目デート ギャーギャーわめく彼氏にうんざり! アラフォー婚活、12歳下の韓国男子 39歳でフラれた私は「鬼」になった アラフォー婚活、「ラブホ行かない?」タップル婚活の男 悠仁さま成績不振報道は怪しい? 天理教の”夏祭り”へ潜入! 素人が“行ってはいけない”パワスポ カマたくさんが「売春を始めたきっかけ」 総合 【ダイソー】110円「シューズケース」は冷凍庫に◯ イオン系列の新スーパー【ブランデ】レポ 【ポッポ】ヨーカドー閉店ラッシュで絶滅危機 今週の人気記事ランキング 【ダイソー】110円「水切りカゴ用ポケット」活用術6 大量閉店の【ミニストップ】を調査! 【ダイソー】110円「ブックエンド」洗面台で使う アラフォー婚活、最後に彼氏に料理したのって 【ダイソー】110円L型ビニールケース 後輩にしたいボーイズグループメンバー発表 【ダイソー】110円のコレ、洗面台収納に 【サイゼリヤ】平日ランチ実食おすすめ5品 アラフォー婚活、海外旅行ばっか行ってる スノ・深澤、同期会開催を宣言 165万リングの買い直しを決意したワケ 粗品&あの“仲良しアピ”に冷たい意見 爆増中のチェーン【鰻の成瀬】目が釘づけ 衝撃の英王室スキャンダル5選 「若く見える」と言われたときの返し方 英国王のめったに見られないシーンとは? カルチャーの人気記事 アラフォー婚活、最後に彼氏に料理したのって アラフォー婚活、海外旅行ばっか行ってる バチェラー・黄皓が結婚発 アラフォー婚活、45歳イケメンの残念点 アラフォー婚活、「結婚しよう!」26歳男子からプロポーズ カルチャー一覧へ サイ女の精神!過去の人気コラム 中学受験「トップ校狙えるのになぜ?」偏差値と憧れに固執していた母が娘に教えられたこと “中学受験”に見る親と子の姿 大麻が覚醒剤を超えた! おしゃれな人がパクられてるし、若い人は罪悪感がないのかも? 知られざる女子刑務所ライフ 『それスノ』ダンスSP、佐久間大介の踊りが見る人を魅了する理由とは? コラム コラム一覧へ