サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「CanCam」が袋とじで「毛」特集! それは「禁断の世界」? カルチャー [女性誌速攻レビュー] 「CanCam」7月号 「CanCam」が袋とじで「毛」特集! それは「禁断の世界」? 2010/05/25 16:30 女性誌速攻レビューCanCam 「CanCam」(小学館)7月号 今月号の「CanCam」に付録(?)の「CanCam特製 今日もオツカレちゃん!シール」が差しこまれています。これはその名の通り、同誌モデルの安座間美優、徳澤直子、舞川あいくらが「今日もオツカレちゃん!」と言っているシールや吹き出し付きシールが並んでいるもの。……絶対いらねぇ! と思ったアナタ、「CanCam」指数が低めです。高レベルの「CanCam」ちゃんはこれらのシールを手帳に貼って、「私、今日も頑張った!」と言うことに向けて”頑張る”人たち。このシールの直後にはmiumiuやプラダなどのバッグの紹介ページが続いてますが、「オツカレちゃんシール」を貼ったスケジュールをmiumiuのバッグに入れたりするのが、正しい「CanCam」っ子です。巻頭で早くも落第の烙印を押された気分ですが、今月号の袋とじ企画「乙女のナイショの『毛』問題」を見るまでは、本を閉じるわけにはまいりません。というわけで、早速中身へまいりましょう。 <トピック> ◎時代はかわいい脚 ◎メンズに徹底調査! 真実のモテ服がわかった! ◎乙女のナイショの「毛」問題 ■「スナナレ」よりもひどいよ いつも同じテイストで、まったく見る気がしない「CanCam」のファッションページですが、今月号は画期的な企画がありましたので、ご紹介いたします。その名も「完売なう、入荷なう、進化版なう!! 通販しちゃうな~う♪ 大好きブランド『今コレが売れてる!』Twitter!」です。 このページの内容を紹介しますと、Twitterでもなんでもなく、アパレルブランドのプレスがイチオシする商品をTwitterのようなデザインで紹介し、それにまたモデルや「CanCam」編集部が「RT」と銘打ち、返信しているのです。例えば、「ジル バイ ジルスチュアート」のプレスが、「ほしのあきさんもオーダーのデニムワンピは1,500枚を突破! CanCam掲載マキシワンピと、シルエットのきれいなボーダーワンピも絶好調です」とつぶやけば、ほしのあきが「デニムのキャミワンピって珍しいし、今年らしいですよね。ビスチェ風のトップ部分もかわいくってお気に入りです」とツイート。 単なるコメントをTwitterのように見せているだけです。説明のために言葉を重ねるほどに、冷えていく温度。みなさん、でも暖かい目で見守ってあげてください。サッカー日本代表がゴール前でもパスばかりして、シュートまで持っていけないのは、外した時のサポーターのブーイングが一因だと、どっかの誰かが言ってました(適当)。出版不況で縮こまり気味の出版社の中で、方向性も目指す所も大きく間違えているけど、敢行した勇気、褒めてあげてください。 ■男の視界の中で生きる「CanCam」っ子たち 不定期に組まれる、男子のフィルターが掛かりまくった企画「メンズに徹底調査! 真実のモテ服がわかった!」が今月号に登場しています。男子200人にアンケートをとり、女の子のどんなファッションが好きかを聞く、”モテ命”の「CanCam」らしい定番企画です。その結果、 ・デニムは神 ・かっちりした白シャツの中に男の夢がある! ・ショーパンを嫌いなヤツは男じゃない! ということです。参考になるぅ~。その後も同期、先輩、後輩と年齢別に男子の理想を盛り込んだコーディネートが紹介されているのですが、設定という名の妄想が……。 ・落ちた資料を拾う…。ただそれだけなのに、色気と気品を感じさせるミニスカートって、絶対に罪でしょ! ・突然の夕立でふたりで過ごす雨宿り―。ジャケットを脱いだらノースリーブシャツなんて、狙ってなくてもそれはズルいって!! ・コンタクトをハズし、赤メガネをかけた先輩と深夜残業でふたりっきり……。なんて夢を追いかけて、今日もハードワークに耐えます。 って、もはやAVのドラマ部分! それをご丁寧に写真で再現しているから、スゴイ! そして、これを読んだ汚れなき女子が、男子のためだけにオシャレをするようになるのも怖い。いつからオシャレは異性のためにするようになったのか、ってことすら考える余地を与えない「CanCam」の女衒っぷり。実際の読者の多くが女子高生~大学生という中で、悪い影響を与えなければいいのですが……って、これをウン十年もやってるから、スイーツ(笑)ちゃんが生まれたのか。納得です。 ■何のための袋とじ? さて、いよいよ袋とじ「永久保存版 乙女のナイショの『毛』問題」です。「永久保存版ってことは、何をどこまで書いちゃってるの?」と期待に心躍らせて開いてみて、ガックリ。中身はQ&A、男子による座談会、AV女優Rioのインタビュー、ムダ毛の名言&格言でした。Q&Aの内容も Q.家でできるレーザー脱毛ってどうなんですか? A.家庭用脱毛器は、上手に使えばムダ毛ケアの強い味方!(略)値段も使い方も効果もさまざまなので、自分に合うものをセレクトして賢く使いましょう。 って、何の解決にもなってないものばかり。男子座談会も「顔系のムダ毛は本当に幻滅する」「背中のうぶ毛はかわいい」など、何の得にもならないもの。締めのムダ毛の名言&格言に至っては、「毛深さで女の人生変わる!」「人の体全体の毛は100~150万本」など、笑えないし、唸れないものばかり。そもそも何で袋とじにしたんでしょうか? ティーン誌の「セ・キ・ラ・ラ 初体験告白」の方がよっぽどクオリティが高いですよ。 というわけで、いつもに増して空回り感が強い「CanCam」ですが、誌面上は夏に向けてアゲアゲなテンションですので、多分、世間との温度差に気付いていないような気がします。そして来月号の大特集は「かわいい賢人の”夏LOVEランキング”発表」。”夏はすぐそこ”ってことですね。 (小島かほり) 「CanCam」 おみあし…… 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・上の世代は反面教師!? 「CanCam」が推奨する「20代で結婚」!! ・新年度を前に……オンナの生きる道を示した「CanCam」5月号 ・西山茉希が去った後、「CanCam」がカリスマに仕立てたいのはこの人! 最終更新:2010/05/25 16:30 次の記事 ちょいダサ具合が逆にかわいい!? 「ViVi」的’90sファッションの世界 >