[女性誌速攻レビュー] 「CanCam」5月号

新年度を前に……オンナの生きる道を示した「CanCam」5月号

2010/03/28 21:00
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「CanCam」10年5月号

 今月号の「CanCam」には、久々に付録「マーク BY マーク ジェイコブス」のチビトートが付いています。同ブランドのバッグ「ワイルド・アット・ハート」と同じ柄で、付録はバッグインバッグになるんですって。そもそもバッグを買えるぐらいなら、付録で大喜びしませんて。というわけで、完全にバッグに主役を取られていますが、今月の表紙は安座間美優です。最近では、テレビやCMでも活躍していますが、実は単独の表紙は今月号が初。春ですもの、フレッシュさを演出するにはいいタイミング。「CanCam」編集部が西山茉希と入れ替わりで登場した、土屋巴瑞季を大プッシュ中ですので、美優も負けずに看板モデルの座を手に入れてほしいものです。

<トピック>
◎春は毎日”かわいいエレガンス”宣言!
◎ザ・女の先輩
◎「(秘)ビューティー、大追跡」

■曜日斬りという荒技が登場

 今月号の大特集「春は毎日”かわいいエレガンス”宣言!」。タイトルに違わず、月曜~日曜まで曜日ごとにテーマを設けて、コーディネートを紹介しています。例えば

・月曜日のオフィスには ニットジャケット×ミニボトムが溢れてる
・(火曜日)もはや世界標準! の愛されミルキー配色
・木曜日は”おしゃべりなトップス”で

 と、何のルール/設定もなく曜日斬り! さらに曜日ごとに女子アナが出てきたり、風水師が出てきたりとまとまりもなく、曜日という冠を付けただけ。「通勤ロンパース 金曜夜のビフォーアフター」に至っては、会社にロンパースという大胆な提案も。会社につなぎ……ショップ店員かマスコミ関係しか許されなそうな感じですが、読者は一般企業OLじゃなかったっけ?


■女の敵はオンナ、女の味方もオンナ1

 職場での人間関係にフォーカスした企画「ザ・女の先輩」。外回り系と内勤OLの2パターンのシチュエーションで、細かく社会人のたしなみをレクチャーしているのですが、これをパーフェクトにできることを求められたら、ちょっとつらいものばかり。

・朝、会社に向かう前に先輩を見かけたら、軽く話した後に「コンビニ寄っていくので、お先に失礼します」が正解
・先輩とのランチの際、場所を真っ先にキープ&調味料や紙ナプキンを準備
・トイレでのメイク直し中に先輩が来たら、使った場所をティッシュで掃除し、先輩に譲る
・飲み会の席、男性上司からのチヤホヤは回避すべし

 これを自然にできる後輩こそ、「他人に気を使い過ぎ病」ですよ。しかも、この企画は女性社会を生き抜く術を伝授していますが、本当に社会に出たら、男性社員との折り合い術を身に付けた方が賢いはず。まだまだ男性上位の社会、男性同僚を敵に回すか、味方につけるかで、仕事の幅は変わってきますからね。でも、「CanCam」読者は仕事は6分目で、あとは恋とファッションに懸けているから、そこまで心配しなくていいのかしら?

■女の敵はオンナ、女の味方もオンナ2


 美容企画「(秘)ビューティー、大追跡」では、「CanCam」読者の涙ぐましい努力が垣間見られます。こうやって、”モテる女”になりたいと努力している人は、確かにモテるべきだと思わせられるほど、切実な実情が楽しげに紹介されています。

・ゴミ袋かぶりながら半身浴で、即席サウナ完成!
・使い古したマスカラでササッと土台を作れば、下まつげだってにじまない!
・アイラインの見せ場 目尻にハネ上げは爪で微調整!

 今まで「CanCam」信者を、羨ましさの反動でちょっと斜め上から見ていた貴女、彼女たちは「ただモテたい」というだけで、これ程の努力をしているんです。今後はどれだけ表面的には「甘かわ」でも、こういった努力をしていると思えば、自然に仲良くなれそうですね。今まで、信者を斜め上から見ていた人は、私とともに懺悔しましょう。

 と、最後は自責の念まで抱かされるほど、予想外の展開になった今月号の「CanCam」。でも3歩進んだら、何が書いてあったのか忘れるぐらい軽~い中身だったので、反省もそこそこに来月号も変わらず辛口でレビューしていきたいと思います。
(小島かほり)

「Can Cam 」

衰退の一途

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最終更新:2010/03/28 21:00