[女性誌速攻レビュー] 「an・an」09年11月25日号

ベッキーを隠れ蓑に、「an・an」の”膣”至上主義が幕開けか?

2009/12/03 00:00
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「an・an」(マガジンハウス)12月9日号

 今週の「an・an」は、ベッキーが表紙のヘアスタイル特集「美女は髪型が7割!!」。ヴィダル・サスーンのCMみたいな写真の上に”独占! ベッキーが髪をバッサリ!! その決意は?”と、文字が躍っております。ベッキーが髪を切ることって、そんなに大事件だったとは……。では、ベッキー以外のトピックから。

<トピック>
◎街の髪美人28人をSNAP!
◎完全保存版 膣トレーニングBOOK
◎哀愁キュートなOVER50 紳士録

■彼女が髪を切った理由。

 ベッキーが髪の毛を切った理由は「デビュー10周年とアーティストデビューが重なったから」だそうです。「結婚を機に切るつもりでいた」そうです。「切ったの11月8日なんです。今日まで隠すの大変でした」(12月2日付け 公式ブログより)ですって。井上晴美が坊主頭にしたとき以上の騒ぎになってますけど、”ベッキーが髪を切る”ことにこんな価値があったとは驚きです。スポーツ新聞にも表紙写真が掲載されて、謎のベッキー祭り。そういえば、先日発売された某女性誌の表紙のベッキー、妙に”女”を演出したメイク&スタイリングで印象が違ったのですが、キャラ変えを始めていたのですね。これまでは、元気な10代の頼れるお姉さん的キャラクターで「小学六年生」(小学館)に出てたりしたのに、アーティスト路線に変更。アーティスト=モードな化粧、クールな表情という、90年代的ステレオタイプな手法が通用するのか未知数ですが。ちなみに、アーティスト名は「ベッキー♪♯」ですのでお間違いなく!

■そのうち、女性が膣で選ばれる時代が訪れる?

 1色ページで展開されている「膣トレーニング」特集。セックス特集号でなくとも、手を変え品を変えセックス企画を折り込む手法が目立ちます。今回は”感度もアップして、しかもキレイになれちゃう!?”をうたい文句に、膣に効くストレッチと専用アイテムを使ったトレーニングを紹介。マガジンハウスらしからぬ、風俗嬢やストリッパーもアドバイザーに登場です。


 無難な内容が多いQ&Aコーナーですが、「下着は通気性を一番に考えて、コットン性のものが膣的にベスト」というためになるアンサーもあります。この特集を見た友人が「顔、胸ときて、ついに”膣”か」と、呟きましたが、確かにその通りです。このままでは、そう遠くない未来、人気整形手術に「膣を締める」なんてものがランクインするでしょう。「an・an」後半の広告が、膣系で占拠される可能性もあります。女性の膣意識を向上させるのは、非常に良いことですが、極端にならぬよう舵取りも責任を持ってお願いします。

■異性への好奇心も貪欲

 「枯れ専」なんて言葉がついて、注目されはじめたのが大体5年前くらいでしょうか。こちらでは枯れ専を「哀愁キュート」という言葉に置き換えて心機一転。國村隼、岩松了、伊武雅刀、渡辺哲、蟹江敬三などなど、実に17名のおじさまを紹介、「その懐に抱かれたい♪」とノリノリのご様子。さすが、芸歴の長いおやじさんたちだけあり質問への回答もセンス溢れまくり。

何フェチですか? 「金属フェチです。」(國村隼)
子供のころなりたかったものは? 「おじいさん。」(平田満)

 などなど、若手イケメンの見え透いた嘘回答よりも満足度高し。枯れ専女子は、根強く存在していますから、こういう企画は素晴らしい!


 膣トレーニング、OVER50代おじさん、ともにサイゾーウーマンでやっても何ら違和感のないこの特集ラインナップに、親近感を感じました。しかし、「餅は餅屋」という言葉がある通り、「an・an」に”膣”は似合わない。おしゃれなシティガールに向けた情報を提供してほしい、切にそう願っております。

『カレセン―枯れたおじさん専科 (単行本)』

これで満たして

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最終更新:2010/01/04 17:35